ゴール寸前でまさかの「落馬」アクシデントも…次の騎乗で馬群を割り1着を獲った若武者に称賛の声
27日、京都競馬場の2Rでまさかのアクシデントが起こった。
スタートから先手を取り、そのまま逃げ切ろうとした4番人気のチャーチモードが、残り100m付近で先頭という勝利間近のところでバランスを崩して鞍上の鮫島克駿騎手が落馬。競走中止となってしまった。
ダートコースに叩きつけられる形となった同騎手は、救急車で搬送。肝を冷やしたファンも多かったと思われるが、その後も予定通り騎乗すると発表されたことはまさに不幸中の幸いだった。
「JRAの裁決レポートによると、チャーチモードはダートコースに付いた蹄跡を跳んでバランスを崩してしまったようですね。
なおこのレースは最初、勝ちタイムが1分13秒3と発表されましたが、後に1分13秒1に訂正されました。
通常、タイムは自動計測ですが、このレースは先頭だったチャーチモードがゴール寸前で落馬。カラ馬のタイムが表示されるのを防ぐために急遽、手動計測に切り替えたことが変更となった主な理由のようです」(競馬誌ライター)
その後、鮫島駿騎手は予定通り京都4Rの3歳未勝利(芝1400m)に騎乗。落馬があってからまだ約1時間、肉体面だけでなく、精神面のダメージも心配されたが、6番人気のシャングリラ(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)で素晴らしい騎乗を見せている。
2番枠からのスタートだったこともあり、道中は内目の後方からレースを進めた鮫島駿騎手。最後の直線を18頭立ての馬群の真っ只中で迎えると、臆することなく中を割って抜け出し、ゴール寸前で逃げ馬をクビ差で捕えて1着に入った。
落馬で競走中止となった次の騎乗で見事に巻き返した鮫島駿騎手には、レース後のSNSやネットの掲示板などでも「落馬した後なのによく狭いところ割ってきたな」「すごい度胸だ」「まさに不屈の精神」など、称賛する声が多く寄せられることとなった。
当の本人はレース後、「距離ロスのないように意識して運びました。ラストはいい伸びでしたし、持ち味を活かせたと思います」と冷静なコメントを残している。
また、体は大丈夫かと尋ねられた同騎手は「はい、なんとか」と頼もしい返事。さらに口取りが終わった後のウイナーズサークルでは、ファンからのサインに快く応じるなど、普段と変わらない姿を見せていた。
先週終了時点で33勝をあげ全国リーディング8位につけている26歳の鮫島駿騎手は、これまでG1優勝の経験はない。日曜に開催される日本ダービー(G1)には騎乗馬がおらず、先週のオークス(G1)でもお手馬コナコーストが乗り替わりになるなど悔しい思いをしている。
ただ、この頼もしさがあればそう遠くないうちにビッグレース制覇も見えてくるだろう。今回は悔しいアクシデントに終わってしまったチャーチモードも、再び乗る機会があれば今度こそ勝利に導いてくれるはずだ。