ジャックドール、セリフォスの「前任騎手」が苦戦…ローカルでも若手に敗れ「存在感が薄くなった」の声も

ジャックドール 撮影:Ruriko.I

 スタートの時が近づいている4日の安田記念(G1)。大阪杯(G1)の勝ち馬ジャックドールは2枠3番、昨秋のマイルCS(G1)に続いてマイルG1連勝を狙うセリフォスは同枠4番にそれぞれ入った。

 ジャックドールに騎乗する武豊騎手は、先週の葵S(G3)を驚愕のロケットスタートで快勝。早くも今年6つ目の重賞タイトルを獲得したレジェンドは、公式サイトの日記にも「この速さは短距離戦では小さくないアドバンテージ。今後も大いに楽しみです」と喜びをつづっている。

 またセリフォスのD.レーン騎手も先週、69年ぶりとなるテン乗りでの日本ダービー(G1)制覇を達成。直後の目黒記念(G2)でもヒートオンビートを1着に導き、2017年のC.ルメール騎手以来2人目となる1日に両レース優勝をやってのけた。

 目下絶好調の2人が手綱を取るだけに、両馬により大きな注目が集まることは間違いない。

藤岡佑介騎手

 その一方で、今年に入りやや勢いが見られないのが、2頭の前任騎手だった藤岡佑介騎手である。

 セリフォスとは昨年10月に富士S(G2)を制したのだが、次走でレーン騎手に手綱を譲るとマイルCSを勝たれてしまった。ただ、同馬とは富士Sの時点でキャリア7戦のうち3回しかコンビを組んでいなかったことを考えると、あくまでも準主戦的な役割だったか。

 ジャックドールは昨年の天皇賞・秋(G1)まで12戦中9戦で手綱を務め、重賞を2つ制するなどバリバリの主戦。また父・藤岡健一調教師の管理馬でもあった。それが昨年末の香港で武豊騎手に乗り替わりになってしまったのは、本人にとって堪えたかもしれない。

 藤岡佑騎手は5月終了時点で17勝。これは過去5年間の同時期と比べると最も少ない数字となっている。

「現在、全国リーディング31位につけている藤岡佑騎手ですが、今年の勝ち星の半数以上にあたる10勝は第3場の小倉開催でマークしたもの。中央場所では1桁しか白星をあげられていないなど、例年と比べるとやや苦戦を強いられているようです」(競馬誌ライター)

ローカルでも若手に敗れ「存在感が薄くなった」の声も

 なお、1月半ばから2月後半にかけて開催された冬の小倉競馬にはフル参戦して10勝を挙げたが、14勝を挙げた6年目23歳の西村淳也騎手にリーディング争いで敗れてしまった。

 その西村淳騎手は、安田記念でも有力馬の1頭ガイアフォースに騎乗予定。一方の藤岡佑騎手は同レースに乗り馬はおらず、裏の阪神競馬で騎乗予定である。ここにきて若手とも完全に立場が逆転しつつある。

 そのような背景もあるからだろう、ネット上などでは一部のファンから藤岡佑騎手に対し「存在感が薄くなった」なんて声も上がっているようだ。実際に同騎手は今週末、土日合わせて乗り鞍が4つしかないだけに、そのような意見が出るのも無理はないか。

「今年でキャリア20年目を迎えている37歳の藤岡佑騎手ですが、同期の川田将雅騎手が今まさに絶頂期であることを考えると、まだまだ老け込む年齢でもないでしょう。

『netkeiba.com』で連載している対談コラム『with佑』は人気を博しており、人脈にも定評があります。その繋がりを活かして何かきっかけさえつかめば、再び盛り返しを見せてくれるのではないでしょうか」(同)

 ちなみに藤岡佑騎手は節目の通算1000勝まで、あと24と迫っている。ここから夏競馬にかけて再浮上に期待したいところだ。

GJ 編集部

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