【安田記念1点勝負】武豊×ジャックドール、川田×ソダシを含むG1馬8頭を消し! 渾身の大勝負へ

 先週の日本ダービー(G1)における1点勝負は、渾身の勝負馬スキルヴィングがまさかの心不全。自分の不的中はもちろん悔しいが、やはり関係者の心情を思うと、些末な問題に過ぎない。これでオークス(G1)に続き渾身の1点勝負は連敗となってしまった。

 だが、今週末に行われる安田記念(G1)は、日本ダービーやオークスよりも自信のある1点勝負レースだ。

 フルゲート18頭のうちG1馬が10頭とハイレベルで、素晴らしいメンバーが顔を揃えたといえる。だが馬連1点勝負という競馬予想の原点に立ち返るなら、これほど簡単なレースはない。出走馬を見て、わずか10秒で買うべき馬が決まったほどだ。

■安田記念出走馬

1番 ナランフレグ    丸田恭介
2番 メイケイエール   池添謙一
3番 ジャックドール   武豊
4番 セリフォス     D.レーン
5番 ソダシ       川田将雅
6番 ダノンスコーピオン M.デムーロ
7番 ガイアフォース   西村淳也
8番 ドルチェモア    坂井瑠星
9番 シャンパンカラー  内田博幸
10番 ソウルラッシュ   松山弘平
11番 イルーシヴパンサー 岩田望来
12番 ナミュール     横山武史
13番 レッドモンレーヴ  横山和生
14番 シュネルマイスター C.ルメール
15番 マテンロウオリオン 横山典弘
16番 カフェファラオ   浜中俊
17番 ウインカーネリアン 三浦皇成
18番 ソングライン    戸崎圭太


 まず、安田記念という王道のマイルG1レースは、生半可な実績の馬が勝てるレースではない。勝ち負けにはマイルの重賞勝利は必須で、今回のハイレベルなメンバーならばマイルG1の勝利実績が必要と考える。同じく10頭のG1馬が出走した2020年は、1着から6着までマイルのG1レースを勝利した馬が独占した。そのマイルG1で特に価値が高いのは古馬混合のマイルG1、つまりマイルCS(G1)と安田記念だ。

セリフォス 撮影:Ruriko.I

 となれば昨年のマイルCSを勝利したセリフォス、そして昨年の安田記念を制し今年のヴィクトリアマイル(G1)も制したソングライン、この2頭の1点勝負である。

 早くも結論が出てしまったが、冷静に他の馬についても触れておこう。

 まずマイルのG1どころかマイルが未経験の大阪杯(G1)の勝ち馬ジャックドールは対象外。いかに名手・武豊騎手が騎乗とはいえ、これほどの名マイラーが揃ったレースで勝ち負けを演じるには、馬の方の実績が不足している。

 次にソダシはすでに勝負付けが済んだ印象。ヴィクトリアマイルではソングラインに完敗。そしてマイルCSでもセリフォスに完敗しており、牝馬ということや年齢的にも大きな上積みが見込めない今回は、川田将雅騎手に乗り替わりであっても掲示板がやっとだろう。

 何かと詰めの甘いシュネルマイスターは、前走のマイラーズC(G2)で久々の勝利。しかし昨年の安田記念ではソングライン、マイルCSでもセリフォスに完敗しており、こちらも勝負付けは終わっている。相手に恵まれた前走の勝利を過信してはいけない。恵まれて3着までというのが見解だ。

 さらに1200mの高松宮記念(G1)を制したナランフレグ、ダートのフェブラリーS(G1)しかG1を勝利していないカフェファラオも論外。また2歳マイルG1の朝日杯FS(G1)を勝利しているドルチェモアだが、復帰2戦の内容からここで挽回するのは厳しいとみた。

 昨年のNHKマイルC(G1)を制したダノンスコーピオンは、川田騎手がソダシを選んだ時点で勝ち負けは厳しいと判断。昨秋以降は精彩を欠いており、この相手で上位争いは難しいだろう。

 今年のNHKマイルCを勝ったシャンパンカラーは、前走が相手に恵まれた印象が強く、この超豪華メンバーではいかに得意の東京コースであっても、斤量の恩恵があっても厳しいと言わざるを得ない。

 以上のように10頭のG1馬が揃って目移りしてしまうかもしれないが、冷静に分析するとセリフォスとソングラインの2頭が抜けている。

 セリフォスは先週の日本ダービーと目黒記念(G2)を連勝し、乗りに乗っているレーン騎手が鞍上。休み明けもコースも不安はなく、マイルCSの内容から能力上位で勝ち負けは必至だ。

 ソングラインは昨年の安田記念が鮮やかだったが、今年のヴィクトリアマイルはそれ以上のパフォーマンス。叩き2戦目の上積みは大きく、引き続き戸崎騎手の騎乗とベストの条件が揃い、ここも勝ち負けになる。

 G1馬以外にもガイアフォースやレッドモンレーヴ、メイケイエール、ナミュール、ソウルラッシュ、マテンロウオリオン、ウインカーネリアン、イルーシヴパンサーといった実力馬がいるが、いずれも掲示板がやっとといった位置付けだ。

 歴史に残る一戦となりそうな今年の安田記念だが、最終結論はセリフォスとソングラインの1点勝負で決定。今度こそ的中を掴み取り、オークスとダービーの鬱憤を晴らしたいもの。

 そして的中した暁には、その払戻を持って宝塚記念(G1)の大勝負といきたい。

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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