武豊「キスしますよ」の大胆発言もハナ差でスルリ…函館スプリントS(G3)昨年の覇者ナムラクレアに「4戦3勝」の実力馬が復調ムード?

撮影:Ruriko.I

 25日に上半期の総決算・宝塚記念(G1)を控える中央競馬だが、今週から函館開催のスタートする北海道は一足先に夏競馬モード。秋の短距離路線を占う函館スプリントS(G3)が行われる。

 本レースは古馬に対して、斤量でアドバンテージのある3歳馬が軽量を生かして好走するケースも多く、昨年も50キロのナムラクレアが2着ジュビリーヘッドに2馬身半差で圧勝。その後のスプリント戦線においても主力級の活躍を演じた。

 これに対し、かつてナムラクレアを上回る評価を受けながら、長らくスランプに陥っている実力馬が今年の出走馬に名を連ねている。

ウォーターナビレラ 撮影:Ruriko.I

 それは武豊騎手とのコンビで出走を予定しているウォーターナビレラ(牝4、栗東・武幸四郎厩舎)のことだ。本馬は2年前にデビューから重賞を含む3連勝で阪神ジュベナイルF(G1)へ駒を進め、サークルオブライフの3着に入った実績馬である。

 管理する武幸調教師は武豊騎手の実弟でもあり、桜花賞(G1)の前に出演したラジオ番組内で、勝利した場合に「兄が弟の手を上げるのか、弟が兄の手を上げるのか」と問われた際に武豊騎手から「キスしますよ」と大胆なリップサービスが出たほどだった。

 結果的に春二冠を達成したスターズオンアースの前にハナ差で涙を飲み、あと一歩のところで武兄弟のコンビによる初G1制覇は先延ばしとなってしまったが、この桜花賞が最も快挙に肉薄した瞬間だった。

 残念ながらその後のウォーターナビレラは、次走のオークス(G1)を敗れて以降、原因不明の惨敗を繰り返している。昨秋の秋華賞(G1)を最後に距離短縮も試みたが、1400mの京都牝馬S(G3)を4番人気で14着に大敗し、初のスプリント戦となった高松宮記念(G1)も18頭立ての14番人気で16着と振るわなかった。

 悩める4歳牝馬の父は、一部のファンから産駒の早熟傾向を噂されているシルバーステート。このまま終わってしまうのではと懸念する声が出始めていることも事実ではあるが、前走の高松宮記念では復調を感じさせる兆候が見えた。

「結果は伴いませんでしたが、能力的な衰えは感じさせない前走の追い切りでした。このときは栗東のCWで4F49秒9の好タイムをマーク。函館の芝コースで武豊騎手を背に追い切った今週も、余力十分に5F66秒2でラスト1F11秒3を出しました。

注目したいのは併走馬を0秒6も置き去りにしたことです。近走はレースを途中でやめることも多く、精神面が課題となっていました。好調時の闘争心が戻ってきたなら、もう一度見直していいかもしれません」(競馬記者)

 高松宮記念の凡走については、手綱を取った吉田隼人騎手がレース後のコメントで「スプリント戦を試すなら、きれいな馬場を走らせたかった」と不良だった馬場を敗因に挙げており「かわいそうなレースになりました。今日は参考外です」と振り返っていたように悲観していなかった。

 武豊騎手も自身の公式ホームページで「札幌で新馬戦を勝った馬ですから北海道で変身があると信じたいですね」と、約3か月ぶりのリフレッシュ効果に期待していた様子。昨年の勝ち馬ナムラクレアとの対戦成績で4戦3勝の実力を思えば、復活勝利があっても驚けない実力の持ち主であることは間違いない。

 武兄弟によるG1制覇は、今春もライトクオンタムやタッチウッドで悲願達成を期待されたが、いずれも実力を発揮できないまま不完全燃焼に終わった。函館SSでウォーターナビレラが復活勝利を遂げるようなら、もしかしたら10月のスプリンターズS(G1)で “キス”に期待出来るかもしれない。

GJ 編集部

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