新設「ダート三冠」にも白毛旋風の予感?ソダシに続くスター候補がC.ルメールと始動

C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 日本ダービー(G1)が終わると、その翌週から新たに始まるのが“来年のダービー”に向けた戦い。6月に入り、中央競馬の2歳新馬戦がスタートした。

 各地で続々と新星候補が名乗りを上げる中、今週からはダートの新馬戦も開幕する。17日に行われる東京6Rメイクデビュー東京(ダート1400m)は、今年の関東初にして開催唯一のダート戦とあって出走希望馬が殺到するというのが恒例行事となりつつある。

 今年も2頭の除外馬を出したこの一戦。幸運にもゲート入りが叶った16頭のうち、ひと際大きな注目を集めるこの世代の“スター候補”がいる。その馬とは名手C.ルメール騎手を背にデビューを迎えるアマンテビアンコ(牡2歳、美浦・宮田敬介厩舎)だ。

 白毛の母・ユキチャンから誕生したヘニーヒューズ産駒の牡馬は、母譲りの真っ白な馬体もさることながら、その雄大な馬格や動きの良さも早くから評判となり、POG雑誌などでも大きく取り上げられた。

 デビュー戦に向けた調教でも、5月下旬の段階から美浦のウッドチップコースで順調に時計を出し始め、8日の1週前追い切りでは3ハロン36秒9、ラスト1ハロンは11秒1という上々のパフォーマンスを披露している。

 しかも、3頭追いで併せた相手は毎日杯(G3)で3着、菊花賞(G1)でも4着という実績を誇るドゥラドーレスだった。2歳6月の時点で500キロを超える馬格を誇り、パワフルな動きで2つ年上の先輩とも互角に渡り合う能力を見せているのだから、期待は膨らむ一方だ。

 管理する宮田師も『スポーツニッポン』の取材で「良い体つきになってきた」と手応えを口にしつつ、「ダート三冠路線に乗せられれば」とコメント。大舞台を意識する言葉が早くも飛び出したように、調教師もその器の大きさに太鼓判を押している。

新設「ダート三冠」にも白毛旋風の予感?

 早い時期の2歳戦は芝に比べてダート路線の選択肢が少なく、まずは狙ったレースに無事に出走することで賞金を稼いでいくことが出世への近道となる。その点、6月の時点で実戦デビューする準備ができたこと、そして競争率の高い6月の東京ダート新馬戦に出走が叶ったことは陣営としてもひと安心といったところだろう。

 過去を振り返ってみても、2021年に「6月×東京×ダート1400m戦」で新馬勝ちを果たしたコンバスチョンは、後に兵庫ジュニアグランプリ(G2)と全日本2歳優駿(G1)で2着と好走。3歳春以降はドバイのUAEダービー(G2)に矛先を向けたこともあって重賞勝ちからは遠ざかっているが、世代限定のリステッド競走・ヒヤシンスSを勝利するなどダート路線で実績を残している。

 さらに、2018年に同じ条件の新馬戦を勝ち上がったラインカリーナは牡馬相手の1勝クラス戦こそ勝利まで時間を要したものの、翌年6月の3歳牝馬限定重賞・関東オークス(G2)を制覇。やはりこうした例を見ると、世代限定の上級条件を戦っていくにあたり、早いうちから賞金を稼ぐことでゆとりを持ったローテーションを組んでいけるというのは大きなアドバンテージになると言えそうだ。

 白毛馬から夢の“三冠馬”誕生へ。今年の2歳世代ではソダシの半弟・カルパも白毛の新星候補として大きな注目を浴びているが、来年からは芝のクラシックだけではなくなった。中央馬にも門戸が開く最初の「ダート三冠」戦線に白毛のスター候補が参戦となれば、より大きな注目を浴びることは間違いない。

 白毛馬のG1制覇はソダシがすでに成し遂げているものの、牡馬でこの偉業を達成した馬はまだ出ていない。白毛の遺伝子を広く後世に伝えていくためにも、まずはハヤヤッコ以来となる重賞ウィナーの誕生、そして史上初となる牡馬のG1王者の誕生が待たれる。

 “初代ダート三冠馬”という栄誉とともに、その夢を現実のものとすることができるか。大きな期待を背負うアマンテビアンコがC.ルメール騎手とともに初陣に臨む。

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