レイデオロ産駒「初勝利」へ第一関門突破! ソールオリエンス僚馬「日本ダービー血統」の好素材が出陣
6月24日の2歳新馬戦(東京・芝1800m)をヴェロキラプトルが制し、産駒がJRA初白星を挙げたのが新種牡馬スワーヴリチャードだ。
翌25日の未勝利戦ではコラソンビートが逃げ切り、産駒2勝目をマーク。スワーヴリチャード自身は古馬になってからG1を勝つなどやや遅咲きだっただけに、産駒がこれだけ早い時期から走るのは嬉しい誤算かもしれない。
一方で、先週も勝てなかったのがレイデオロである。
現役時代にスワーヴリチャードを下してダービー馬に輝いた同馬は、2020年から社台スタリオンステーションで種牡馬生活をスタート。初年度から196頭の繁殖牝馬と交配しており、これは今年の新種牡馬の中でもトップの数字だ。
しかし、そんな期待とは裏腹に産駒はここまで1頭も勝ち上がっていない。先週は21年のセレクトセールにおいて約2億円で取引されたショウナンハウルが出走し、産駒初勝利が期待されたが、勝ち馬のギャンブルルームに5馬身以上離された3着に終わった。
苦戦が続くレイデオロ産駒だが、今週末も初白星へ向けて好素材がスタンバイしている。それが2日の福島・芝1800mでデビューするレイデラルース(牡2歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。
「日本ダービー血統」の好素材が出陣
今年の皐月賞馬ソールオリエンスと同じ東の名門・手塚厩舎に所属する同馬は、近親に2016年の日本ダービー(G1)を勝ったマカヒキがいる良血。そして父もダービーを制したレイデオロであるため、父方も母方もダービーと縁のある血統となっている。
そんな背景もあり、所有するDMMドリームクラブでも公式サイトにおいて「父母双方からダービー馬の要素を取り込んだとあれば、2024年の日本ダービーで躍動する姿を思い描くのも夢物語ではないでしょう」と紹介されるなど、来春に向けて期待値はかなり高そうだ。
手塚調教師もレイデラルースについては『スポーツニッポン』の取材に「能力はあります。心肺機能が良くてポテンシャルも高い。勝てる力はあると思います」と話すなど、確実に手応えを感じている様子である。
鞍上には同厩舎のユーバーレーベンで一昨年のオークス(G1)を制した盟友・M.デムーロ騎手を配してきた。クラシック路線に乗るためにもまずは必勝態勢を敷いてきたとみていいかもしれない。
「夏の福島・芝1800mの新馬戦は後にG1を制するノームコアやマイネルホウオウなどを輩出している出世レースということもあってでしょう、レイデラルースが出走する新馬はフルゲート16頭に対して20頭のエントリーがありました。そのため運が悪ければ出走枠に入れない可能性もあったのですが、抽選をクリアできたことは父レイデオロにとってもかなり大きいです。
というのも今週末、レイデオロ産駒の出走はレイデラルース1頭のみ。同馬が除外となっていれば初白星はまたも持ち越しとなるところでしたが、何とか無事に第一関門は突破してくれました」(競馬誌ライター)
なお6月30日の時点でレイデラルースは、『netkeiba.com』で公開されている単勝予想オッズにおいて1番人気の評価を集めている。果たして期待に応えて父に初白星をプレゼントできるだろうか。