「ブロードアピールの再来」砂の超大物候補が異次元の豪脚でV! 祖母は重賞7勝の女傑「久々に衝撃を受けた」キズナ調教師も驚愕

北村宏司騎手 撮影:Ruriko.I

 1日、中京競馬場の6Rに行われた2歳新馬戦(ダート1400m)は、6番人気の伏兵だったラムジェット(牡2歳、栗東・佐々木晶三厩舎)がファンの度肝を抜く衝撃の後方一気で勝利した。

 10頭立ての一戦。ラムジェットと鞍上の北村宏司騎手はスタート後、まったくと言っていいほど行き脚がつかず、向正面では馬群から1頭ポツンと大きく離れた最後方追走を余儀なくされることとなる。

 最後の直線に向いたところでも、先頭まで約10馬身の差。レースの前半600m通過は35秒2であり、不良馬場だったことを考えると決して流れたわけでもない。この時点では勝利はおろか馬券圏内も相当に厳しいと思われた。

 だが大外に持ち出されたラムジェットは、残り200m付近でエンジンが点火すると前を行く各馬を一瞬で交わし去り1着。ゴール前は他馬が止まったように見えるほどの、ものすごい勢いだった。

「久々に衝撃を受けた」キズナ調教師も驚愕

「バックストレッチで大きく置かれているシーンを見たときは、早くも1頭脱落したとさえ思ったのですが、まさかあそこから全馬をゴボウ抜きしてしまうとは……。ラムジェットがマークした上がり3ハロン35秒8は、2位のそれを1秒8も上回る、まさに異次元のものでした。

ダービー馬のキズナなどを手掛けた名伯楽であり、本馬を管理する佐々木調教師もレース後には『久々に衝撃を受けた』などと驚いている様子でしたね」(競馬誌ライター)

 豪脚一閃で初陣を飾ったラムジェットに対しては、SNSやネットの掲示板などにも「この末脚はエグすぎる」「ブロードアピールの再来だろこれ」「久々に鳥肌が立った」といった、まさに驚愕といったコメントが続々と寄せられることとなったのも当然だろう。

 そんな称賛を浴びたラムジェットは、父が南部杯(G1)を連覇したベストウォーリアや、今年に入ってダート重賞2勝のプロミストウォリアなどを輩出しているマジェスティックウォリアー。母父はクリソベリルやコパノリッキーなどを送り出した砂の大種牡馬ゴールドアリュールである。

 そして母方の祖母は、現役時代に交流重賞7勝を挙げた砂の女傑ラヴェリータである。ダートの一流どころを掛け合わせた血統背景だけに、これから砂の怪物に育つ可能性は十分に秘めていることだろう。

「今後は一旦放牧に出されるようですが、来年から3歳ダート三冠競走が新設されるため、そこへ向けて次走は距離を延ばしてくることも予想されますね。

今日のレースでは追走に苦労しているようにも見えたので、距離延長はラムジェットにとっても歓迎材料でしょう。それにしてもダート三冠創設の初年度世代から、いきなり楽しみな馬が現れてくれました」(同)

 騎乗した北村宏騎手はレース後、「最後はいい脚を使ってくれた。まだまだ伸びしろもある」とラムジェットの将来性について話した。ダート界に現れた超大物候補の次戦を楽しみにしたい。

GJ 編集部

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