格差「40倍」のシンデレラストーリー…驚きと感動呼んだミックファイアの圧勝劇!元JRA安藤勝己氏「普通ならミトノオーが勝っとる」

競馬つらつらより

 12日、大井競馬場で行われた第25回ジャパンダートダービー(G1・以下JDD)は、御神本訓史騎手の騎乗したミックファイア(牡3、大井・渡辺和雄厩舎)が2着キリンジに2馬身半の差をつけて優勝。羽田盃、東京ダービーに続く南関東三冠を達成した。

 令和に現れた「ダートの怪物」は、これでデビューから6連勝。無敗で三冠を達成したのも2001年のトーシンブリザード以来となる22年ぶりの快挙だ。来年からジャパンダートクラシックとして生まれ変わるJDDラストイヤーにとんでもない大物が誕生した。

「もう最高ですし、もう今は言葉が見つかりません」

 大役を果たした御神本騎手もパートナーと掴んだ栄誉に感極まった。三冠を意味する3本の指を立てたこの日の主役に、歴史的瞬間を目撃した大観衆から溢れんばかりの「御神本コール」が響き渡る。

 ミックファイアを管理する渡辺和雄調教師は、「ナカノコール」に沸いた1990年アイネスフウジンの日本ダービー(G1)を東京競馬場で観戦していたようだが、地元大井で「ミカモトコール」を「聞けるなんて思っていませんでした」と振り返った。

 また、今回の勝利はミックファイアのさらなる可能性を感じさせた。

 これまで2番手か自身が逃げる競馬をしていたミックファイアだが、JDDではいつもより後ろの5番手で追走。御神本騎手によると「前の方につけたかったのですが、内と外からプレッシャーがかなりきつくて、思いの外、後ろになってしまった」らしいが、結果的に上がり3ハロン最速の末脚を引き出した。

 単なる逃げ馬であれば、普段と異なるレース展開となった際、気性的な脆さを見せることが珍しくない。「逃げてこそ」の馬は、3着に敗れたミトノオーのように、競りかけられてスタミナを消耗するリスクを伴う。こちらについてはレース前のミックファイアにも同じことがいえたはずだった。しかし、結果的に逃げに拘らなくても鋭い末脚が使える自在性を確認できたことは、これからの大きな武器となるだろう。

元JRA安藤勝己氏「普通ならミトノオーが勝っとる」

 ミックファイアが「タダモノではない」ことに驚きを見せたのは、自身のTwitterにて「最後のJDDで最近にはないレベルの地方馬が爆誕した」と絶賛した元JRA騎手の安藤勝己氏も同じ。「普通ならミトノオーが勝っとる競馬を一番外を勝ちに動いて押し切ったからね」「無事に夏を越して万全の態勢で古馬一線級とぶつかってほしい」と賛辞の言葉が相次いだ。

 陣営の話によると、今後はJBCを視野に入れつつ、JRA勢の古馬一線級が集まるチャンピオンズC(G1)への出走も候補に入っているという。中央の強豪相手に圧勝を飾ったからには、無敗の三冠馬に相応しいレース選択といえるのではないか。

 ミックファイアの強さが際立ったのとは別の意味で驚かされたのは、2021年の北海道サマーセールで落札された本馬の取引価格が「550万円」という事実だ。63頭もの「億超え馬」で賑わせた今年のセレクトセールに比べると、消費税にすら届かないような低価格の馬が大仕事をやってのけたことになる。

 ちなみに2番人気で4着に敗れたユティタムは、2021年のセレクトセールにて2億2000万円で落札された馬。これは550万円のミックファイアに対して「40倍」の高価格。必ずしも落札額に競走馬の能力が比例するものでもないとはいえ、ちょっとした「シンデレラストーリー」といっていいかもしれない。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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