【クイーンS(G3)予想】好条件揃ったドゥーラは押さえ。3歳馬人気も実績上位の古馬から穴馬を狙う

 今回は札幌開催の牝馬限定重賞、クイーンS(G3)を予想していく。

 先週の振り返り。先週の重賞は中京記念(G3)だけ。△セルバーグ1着、○ディヴィーナ2着までは良かったが、3着は自信を持って切ったルージュスティリア。セルバーグは後ろの馬と差のない逃げを打っていたが、直線では粘りに粘ってまさに予想通り。レースが終わってもルージュスティリアがどうして1番人気になったのかわからないのだが、重賞で3着に食い込んで来るのだから相応に実力のある馬ではあるのだろう。

 予想に戻る。

 では、いつものようにまずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
ヴィクトリアマイル 14頭
マーメイドS 6頭
ドバイターフ、NHKマイルC、中山牝馬S、福島牝馬S 各1頭
オープン特別 2頭
条件特別(3勝クラス) 3頭
条件特別(2勝クラス) 1頭
となっている。極端に偏ったデータになっているが、ヴィクトリアマイル(G1)からの臨戦が最多。基本はそこで大敗した馬の巻き返しだが、中には3着から再びの好走をした馬もいるので、いろいろな意味で実力通り走るのだろう。続くマーメイドS(G3)も同様の傾向が見られる。それ以外の路線組は比較的好走からの臨戦が多い。

 続いて人気順の成績を見ていこう。
1番人気 3-3-2-2
2番人気 3-0-1-6
3番人気 1-0-2-7
4~6番人気 0-5-1-24
7~9番人気 2-2-3-22
10番人気以下 1-0-1-32
となっている。1番人気は信用できる数字だが、2番人気と3番人気がアテにしづらい。近5年でも昨年こそ1番人気が飛んだが、4年連続で馬券に絡んだので軸はここか。1番人気が信用できるので、基本的には上位人気を軸に据えて検討することになるだろうが、一方で数字からもわかるように穴馬の激走が比較的多く見られる。8番人気以下が近5年で4頭来ているので、人気薄でもしっかり検討は必要だろう。


 これを踏まえて「◎」は10番イズジョーノキセキとする。

 前走はヴィクトリアマイル。スタートで出遅れて後方からの競馬に。緩いペースで流れていく中、徐々にポジションを上げて直線に向かうが、伸びてくることなく15着に大敗している。

 昨年、3勝クラスを勝ち上がってオープン馬として臨んだ府中牝馬S(G2)で大本命のソダシを撃破して注目を浴びたが、続くエリザベス女王杯(G1)で凡走。有馬記念(G1)では超人気薄ながら4着に食い込む大健闘を見せたが、今年に入ってからの2戦はいずれも二ケタ着順といいところがない。

 どうやらマイルでは短いようで、1800m以上で良績が残っている。そういう意味では、前走より1ハロン延びるのは好材料になるだろう。また、近2走は直線での接触や出遅れと、敗因は割とはっきりしている。

 近走成績がイマイチで買いにくいが、ローテーションも上述したように偏って最多となっているヴィクトリアマイルからというのも良い。今回はこの馬だけがこのローテーションでの参戦なので、好材料として働くはず。エピファネイア産駒というのはやはり引っかかるが、先週の中京記念では同産駒が勝利しており、その勢いで馬券圏内があってもおかしくはないだろう。

ルビーカサブランカ 撮影:Ruriko.I

「○」は人気サイドだが4番ルビーカサブランカを挙げる。

 前走は函館記念(G3)。好スタートを切って中団に控えて追走。逃げ馬が澱みのないペースを作り出すが、道中は少しずつポジションを上げて直線に向くと、道中の位置取りのまま内を突いて先頭に立つ勢いだったが、勝ち馬に交わされて2馬身差をつけられる2着となった。

 函館記念からの好走例はないのだが、それもそのはず、レース間隔が中1週しかないのである。当初、登録を見つけたときには「登録だけだろう」と思っていたら、出走である。前走2着でそれ以外にも愛知杯(G3)勝ちとチャレンジC(G3)2着があり、賞金的には何の問題もないはず。

 そんな状況で出走を決めたのだから、よほど調子がいいのだろう。さらに、前走2着と結果を残しているにもかかわらず、前走で勝ち馬に乗っていたC.ルメール騎手に乗り替わりとなっており、陣営の勝負気配が伝わる。斤量も変更なしで、ここは人気になっていても見過ごすわけにはいかないだろう。

「▲」は穴っぽいところで5番サトノセシルを推す。

 前走は中山牝馬S(G3)。上手くスタートを切って、中団に下げて追走。平均ペースよりやや遅いくらいの流れで、少しずつポジションを上げていって直線へ。内から上がっていったが、前に届かず3着となった。

 一昨年のこのレースの3着馬で昨年の2着馬。もう7歳ということで、大きな上がり目は期待できないだろうが、春先に重賞3着と好走して休養に入ったのは良い流れのはず。さらにこの馬は鉄砲で2勝を挙げているので、休み明けのここはむしろ狙い目と言える。

 近5走は乗り手がころころ替わっており、固定していないにも関わらず重賞を5走して2着2回3着1回と好走。残る2戦も掲示板を確保しているので、堅実に走ってきている。意外にも人気がなさそうなので、積極的に狙ってみたい。


「△」は穴馬9番グランスラムアスクと、人気の軸になるであろう7番ドゥーラの2頭とする。

グランスラムアスク

 グランスラムアスクの前走は弥彦S(3勝クラス)で、中目の枠からハナを切って逃げを打つ。それなりに速いペースを作り出すも先頭を譲らず、直線でも粘りに粘り、ゴール前で後ろから来た馬に追いつめられたが、ハナ差だけしのいで勝利した。

 4歳牝馬ながらキャリアはすでに20戦を数える。それも勝ち味に遅かったからで、1勝クラスの脱出に7戦、2勝クラスの脱出に8戦とキャリアの大半のここで費やしている。だが、2勝クラスから3勝クラスは連勝で勝ち上がり、今は勢いに乗っている状態と言えそうだ。

 加えて、古川奈穂騎手の重賞初騎乗となる。この馬は自厩舎の矢作芳人厩舎の管理馬であり、古川奈騎手が20戦のうち15戦騎乗するなど実質的に主戦騎手。2走前の2勝クラスでは勝利しており、手の内に入れているのは間違いないだろう。

 さすがに今村聖奈騎手のように重賞初騎乗初勝利とはいかないかも知れないが、馬券圏内の好走なら十分あり得ると考えて押さえておく。

ドゥーラ 撮影:Ruriko.I

 ドゥーラの前走はオークス(G1)で、外枠からスタートするとポジションを下げて後方待機策に。それほど速いペースではなかったが、澱みないペースで進み直線へ。外に出されると上がり2位の脚で怒濤の追い込みを見せるが、2着にクビ差まで迫る3着に終わった。

 このオークス3着が高く評価されたのと、デビュー3戦目で同じコースを使った札幌2歳S(G3)を勝っていることで人気している。実際のところ、今回は3歳馬が4頭も揃っているが、過去10年で3歳馬が馬券圏内に来たのは17年のアエロリット(1着)の1例だけしかない。このアエロリットも前走NHKマイルC(G1)を勝っての参戦だった。

 となると、今回の3歳馬4頭で同等の成績を残しているのはドゥーラ1頭しかいない。人気しており、馬券妙味を考えると今ひとつ気が進まないのだが、上記のように同コースの重賞を勝っている上に、オークス3着の実績がありながら、斤量はクラシックではいいところがなかったキタウイングやライトクオンタムより1kg軽く最軽量なのも有利。好条件がこう重なると押さえざるを得まい。

 ということで、今回は4番、5番、7番、9番、10番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。人気しそうな2頭を押さえているが、狙い頃の穴馬3頭と合わせているので、組み合わせ次第では結構な好配当にありつけるのではないだろうか。

トーラス神田

オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

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