横山武史「まだまだ上を目指せる」キタサンブラック産駒を高評価!秋華賞(G1)に新星候補が誕生

ドゥーラ 撮影:Ruriko.I

 先週日曜に札幌競馬場で行われたクイーンS(G3)は、3歳馬ドゥーラ(牝3歳、栗東・高橋康之厩舎)が勝利。初の古馬混合戦で、オークス(G1)3着の実力を存分に示した。

 レース後、陣営はトライアルを使わず秋華賞(G1)への直行を示唆。二冠牝馬リバティアイランドが待ち受ける大一番で、オークス時の1秒0差をどこまで詰められるかにも注目が集まる。

 リバティアイランドの強さだけが際立つ今年の3歳牝馬戦線だが、この日、打倒リバティアイランドに名乗りを上げたのはドゥーラだけではなかった。

秋華賞(G1)に新星候補が誕生

 同日札幌の7R・1勝クラス(芝1800m、牝馬限定戦)で、単勝1.7倍の断然人気に応え、2勝目をゲットしたのは、キタサンブラック産駒のココナッツブラウン(牝3歳、栗東・上村洋行厩舎)。北海道シリーズ3戦目で見せた走りはまさに圧巻の内容だった。

 レースは5番人気タケトンボがハナを切り、前半3ハロン36秒5のややスローな流れ。向正面で最低人気のエールミネルヴァが中団から一気に進出しハナを奪ったが、ペースは緩いままだった。結局4角先頭の同馬が3着に逃げ粘り、4角3番手のアンノウンレディが2着という前残りの展開。そんな前有利なレースで4角7番手から豪快に差し切ったのがココナッツブラウンだ。

 道中は余裕の手応えで中団後方を追走。向正面で外を通って押し上げていく馬もいる中で、ココナッツブラウンは内で末脚を温存した。鞍上の横山武史騎手がゴーサインを送ったのは、残り400mのハロン棒手前。外に進路を取ると、一気に先行集団との差を縮め直線を向いた。残り200mを切ったところで並ぶ間もなく先行各馬を交わすと、2着に3馬身差をつける大楽勝で決めた。

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

「完勝でしたね。極端な枠だったので、捌き方次第だと思っていましたが、いいタイミングで追い出せましたね。まだまだ上を目指せる馬です」
 
 横山武騎手のコメントから、懸念していたのは馬群に包まれて前が壁になることくらいだったようだ。4角手前でうまく外に出した時点で、勝利を確信したに違いない。最後の伸び脚から、1勝クラスには敵がいなかったといっていいだろう。

 同馬を生産した下河辺牧場もSNSに「体もさらに増えていましたし、秋華賞に向けて順調に行きたいです!」と発信。圧巻のレース内容に自信を深めたのか、早くも秋の大一番を目標に掲げていたほどだ。

 初勝利を挙げた6月上旬から僅か2か月弱の間に2勝目を挙げたココナッツブラウン。その存在は横山武騎手にとっても心強いものになりそうだ。

「横山武騎手が春の牝馬クラシック2戦でコンビを組んだペリファーニアは、チューリップ賞(G2)と桜花賞(G1)で連続3着に好走しましたが、賞金を加算できておらず。12着に敗れたオークス後は跛行を発症するなど、やや順調さを欠いています。時間的にも距離的にも秋華賞出走は微妙なところ。横山武騎手とすれば、ココナッツブラウンとのコンビで秋華賞を見据えている可能性もありそうです」(競馬誌ライター)

 この世代の牝馬はご存じの通り、リバティアイランドの1強。秋華賞でも大本命に推されることはまず間違いないだろう。秋華賞でライバル候補に名乗りを上げられるかどうか、ココナッツブラウンにとって次走が試金石となりそうだ。

GJ 編集部

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