未勝利で登録抹消された「ダービー候補」の記憶…C.ルメールでデビュー予定の「桜花賞馬弟」が初戦突破を決めたいワケ
2014年の桜花賞(G1)を勝ったハープスターの弟コルレオニス(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)が6日、札幌・芝1800mの2歳新馬戦でデビューを予定している。鞍上は先週も4勝するなど絶好調のC.ルメール騎手だ。
同馬の祖母は、牝馬二冠を制した名牝ベガ。他にも一族には日本ダービー(G1)を勝ったアドマイヤベガや、G1・6勝のアドマイヤドンなど活躍馬が多数。管理するのがダービーを3勝している関西の名門・友道厩舎であることから、POG(ペーパーオーナーゲーム)ファンの間でも大いに注目を集めている。
その友道調教師もコルレオニスには手応えを感じているようで「能力はありそう」「バランスが良くて軽い走りをする」などとベタ褒めしている。函館に入厩後は順調に調整が進められているようなので、いきなり好勝負が期待できるだろう。
「コルレオニスは一口馬主クラブのキャロットファームにおいて総額8000万円で募集がかけられており、同クラブのこの世代の中ではトップクラスの期待をかけられているみたいですね。
レースでは武豊騎手とのコンビで出走を予定しているドゥラメンテ産駒のガイアメンテあたりがライバル候補になってくると思います。同馬も評判が高い1頭ですので、当日は両馬の対決に注目が集まることでしょう」(競馬誌ライター)
「桜花賞馬弟」が初戦突破を決めたいワケ…
なおこの血統でルメール騎手、北海道の芝1800mでデビューといえば、アークライトが思い出されるかもしれない。
本馬の半兄でありハープスターの全弟にあたるアークライトは、昨年2月に引退した藤沢和雄元調教師が管理。定年を控える藤沢和師の最後のクラシックイヤーでもあったことから、アークライトは同厩舎の「最後のダービー候補」などとも呼ばれていた。
だが、ルメール騎手とのコンビで1番人気に支持された函館・芝1800mの新馬戦を2着に敗れると、その後も勝ち切れないレースが続くこととなる。結局、ダービーどころか未勝利を勝ち上がることすら叶わず、通算成績8戦0勝で中央から去ることとなった。
コルレオニスも仮に初戦で敗れるとなると、未勝利でJRA登録を抹消されたアークライトの姿が思い浮かばなくもない。それだけに兄の二の轍を踏まないためにも初戦突破を決めたいところかもしれない。
「ちなみに最後の未勝利戦を勝てなかったアークライトは中央登録を抹消後、地方に移籍。先月24日にも盛岡で走っていましたが8着に敗れるなど、現在のところ中央地方あわせて23戦未勝利。ダービー馬候補と期待された馬としては寂しい成績です」(同)
コルレオニスの父はその藤沢和厩舎に初のダービータイトルをもたらしたレイデオロというのも、どことなく血統的に面白いところ。注目の初陣でどのような走りを見せてくれるだろうか。