日本ダービー(G1)1番人気馬に食い下がった「大物候補」がノーステッキ完勝デビュー! 「ドゥラメンテ産駒で一番いい」期待の良血馬を関係者も絶賛

ダノンベルーガ 撮影:Ruriko.I

「直前のひと追いでグンと良化しました」

 今年もタスティエーラで日本ダービー(G1)を制するなど、トップトレーナーの1人である堀宣行調教師がそうコメントしたのは、20日の札幌記念(G2)で4着だったダノンベルーガの最終追い切りを見届けてのことだ。

 3月のドバイターフ(G1)以来、久々の実戦だったこともあり、戦前から調整不足がささやかれていた同馬。ただ、レース当週の調教では3頭併せで最先着を果たすなど、貫禄の動きを披露していた。

 なお、この追い切りでダノンベルーガに約1馬身後れを取ったものの、昨年の日本ダービー1番人気馬に食らいつく動きを見せたことで、むしろ評価を高めることとなった2歳馬がいる。それがドゥレイクパセージ(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)である。

 同馬の父も堀厩舎の管理馬であり、2015年の日本ダービーを制したドゥラメンテ。母は現役時代にアルゼンチンでG1・2勝を挙げた名牝ソブラドラインクという、期待の血統馬だ。

「ドゥラメンテ産駒で一番いい」期待の良血馬を関係者も絶賛

 育成牧場であるノーザンファーム早来の木村浩崇厩舎長も、ドゥレイクパセージについては『POGの王道2023-2024』(双葉社)の取材に対し「ドゥラメンテ産駒では一番いいかな。走りが軽いです」と話すなど絶賛。本馬の潜在能力は早い時点から、関係者の間でも評価されていたようだ。

 そんな大物候補であるドゥレイクパセージが27日、札幌5Rに行われた2歳新馬戦(芝1800m)で、J.モレイラ騎手を背にいよいよデビュー戦を迎えた。

 少頭数5頭で争われたレース。1番人気こそC.ルメール騎手とヴァルドルチャに譲ったものの、2番人気に支持されたドゥレイクパセージは飛び出るようにゲートを出ると、そのままハナへ。2番手にはヴァルドルチャがつけたことにより、レース前半から早くも2頭によるマッチレースの様相となった。

 1000m通過は65秒0の超スローペース。モレイラ騎手とドゥレイクパセージは4コーナーで荒れたインコースを避けて最後の直線へ。背後にいたヴァルドルチャに差を詰められるどころか逆に突き放す強い内容で、最後は3馬身差をつけてフィニッシュした。

「最後の直線はヴァルドルチャともう少し接戦になるかと見ていたのですが、どうやらドゥレイクパセージのほうが力がワンランク抜けていたようですね。逃げて上がり3ハロン最速をマークしたことからも、今回は文字通りの完勝だったと思います。

ちなみにドゥレイクパセージは最後までノーステッキで、ゴール前は抑える余裕も見せていました。調教でダノンベルーガに食い下がった能力は伊達ではありませんでしたね」(競馬誌ライター)

 まずは無事に初戦突破を決めたドゥレイクパセージについて、モレイラ騎手はレース後「新馬戦だけど落ち着いていた。しっかりと教育がされていてスムーズなレースができた」「ポテンシャルは相当高いです」などと、2歳馬らしからぬ完成度の高い走りを見せたことを評価していた。

 次走は未定のようだが、来春の大舞台へ注目の1頭が現れたことは間違いないだろう。今後の走りを楽しみにしたい。

GJ 編集部

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