エピカリス「出走取消」は陣営の英断ではなかった!? ベルモントS(G1)発走直前に掛かった米国からの「ドクターストップ」に疑問の声
したがって状況的に陣営としては相当なプレッシャーがあったことは想像に難くなく、ましてやアクシデントによる直前回避となれば、極めて重い決断となったはずだ。
歩様に違和感があったとはいえ、パーマー氏が「1週間あれば彼は出走することができた」とコメントしている通り、絶対に出走できないというほどの症状ではなかった。非常に微妙な状況であり、陣営が「あわよくば……」という思いを捨てきれなかったところを米国側が最終的なストップをかけたとしても不思議ではない。
仮に日本では出走させることができるくらいの状況でも、米国では不可ということも充分にあり得るのだ。無論、すべては想像の域を出ないが、実際のところ米国では獣医の判断で出走取消になることは珍しくないようだ。
なお、萩原調教師はJRAに公式HPを通じて「前脚の炎症は決して深刻な問題ではなく、ほぼ出走できる状態でしたが時間が足りませんでした。出走に向けて厩舎チームはベストを尽くしてくれました。ファンの皆様には大変申し訳ございませんが、本日出走できないという事実に向き合わないといけません。厩舎スタッフや現地の獣医師など精一杯努力してくれたことに大変感謝しています。帰国後はできる限り早くファンの皆様に元気な姿を競馬場でお見せできればと思います」とコメントしている。受け取り方によっては、どちらとも取れるだけに”謎”は深まるばかりだ。
いずれにせよエピカリスが大事に至らなかったことが何より。「3歳ダートNo.1」と評されるほど将来性に優れた存在だけに、まずは無事に日本に戻ってきてもらいたい。