イクイノックス「世界最強」はダテじゃない? 楽勝した相手が続々G1制覇…スルーセブンシーズの凱旋門賞挑戦に弾み
またもやイクイノックスの強さが証明されることになった。
今年のドバイシーマクラシック(G1)と宝塚記念(G1)を制し、現在「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で世界1位に君臨するイクイノックス。秋はジャパンC(G1)を最大目標に調整されており、日本ダービー(G1)で後塵を拝したドウデュースとの直接対決にも注目が集まっている。
イクイノックスが現役世界最強馬と呼ばれるきっかけとなったのは、強敵相手に大楽勝した3月のドバイシーマクラシック(G1)。2006年にハーツクライと同レースを制したC.ルメール騎手の騎乗も素晴らしかったが、特筆すべきは今年のドバイシーマクラシックに出走していたメンバーのレベルの高さである。
2着馬のウエストオーバーが、その後にコロネーションカップ(G1)で2着、サンクルー大賞(G1)を優勝、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)も2着とトップクラスの成績を残した。さらに4着馬モスターダフもプリンスオブウェールズS(G1)と英インターナショナルS(G1)を連勝したのだが、欧州の名だたるG1を制した実力の持ち主である彼らさえ、イクイノックスに歯が立たなかった。
これだけでも十分にイクイノックスの強さが証明されていた中、3着のザグレイも3日のバーデン大賞(G1)で勝利を飾ったのだ。それ以外でも7着レベルスロマンスは、昨年のブリーダーズCターフ(G1)を優勝した馬であり、8着のロシアンエンペラーもG1を4勝している強豪でもあった。
日本馬の好走例が多いドバイと苦戦を強いられてきた欧州の馬場との違いはあるが、直接対決で彼らに影をも踏ませぬ逃走劇を演じた、イクイノックスの強さに異論をはさむ余地はない。
そうなると、当然ながらイクイノックスの凱旋門賞(G1)参戦を望む声が出てくるものの、秋は国内専念が既定路線。もし実現される可能性があるとしても、それは来年以降の話となるだろう。
スルーセブンシーズの凱旋門賞挑戦に弾み
その一方で今年の凱旋門賞に参戦を予定しているスルーセブンシーズに期待する声も徐々に大きくなりつつある。
牝馬限定重賞の中山牝馬S(G3)を勝っただけの馬が、強豪の集まるグランプリ・宝塚記念で10番人気の評価に留まったことは当然の成り行きだっただろう。
しかし、いざレースが始まると王者をクビ差まで追い詰める大健闘。当時のイクイノックスの状態が万全ではなかったといわれているが、ドバイシーマクラシックで完敗を喫した欧州のG1馬たちに比べれば、スルーセブンシーズの走りは称賛に値するものだ。
手綱を取るのはイクイノックスの主戦も務めるルメール騎手。彗星のように現れたニューヒロインの健闘を祈りたい。