産駒勝利数でクロフネを抜いたハーツクライ…晩年の産駒に懸かる期待、オーギュストロダンを出したディープインパクトに続けるか
2日、小倉競馬場で行われた2歳未勝利戦(芝2000m)では、単勝オッズ1.1倍の支持を受けたハーツクライ産駒のルシフェル(牝2、栗東・斉藤崇史厩舎)が、後続に4馬身差をつけて初勝利を挙げた。
デビュー戦こそエコロヴァルツの2着に敗れたが、相手はクラシック候補として大きな注目を集めている馬。2戦目を楽勝したルシフェルも、まだまだ上を目指せるだろう。
また、ルシフェルの勝利でハーツクライ産駒のJRA勝利数は1485。1484勝のクロフネを抜いて歴代種牡馬別通算勝利数ランキングで単独7位となった。さらに3日が終了した時点で4勝を上乗せしたため、6位のフジキセキに38勝差まで迫った。
これまでも2022年の日本ダービー馬ドウデュースを始め、シュヴァルグランやスワーヴリチャードといった数々のG1馬を輩出するなど優秀な成績を残したが、2023年の3月に天国へと旅立った。
そのハーツクライの産駒のラストクロップとなるのが2023年の2歳世代だ。
競馬には昔から“晩年の産駒はよく走る”傾向が見られる。古くは七冠馬シンボリルドルフの父パーソロンや“神の馬”と称された欧州三冠馬のラムタラもニジンスキー晩年の最高傑作と言われている。
さらに歴代産駒勝利数の上位種牡馬の晩年の産駒を見てみると、大種牡馬サンデーサイレンスが晩年に輩出し最高傑作となったのがディープインパクトである。また、ラストクロップとしてはマツリダゴッホやフサイチパンドラも輩出。そのフサイチパンドラは言わずと知れた芝G1を9勝したアーモンドアイの母馬である。
また、キングカメハメハは秋華賞馬スタニングローズ、フジキセキも晩年にはイスラボニータといったG1馬を輩出した。
ディープインパクトについては、キズナやコントレイルら多くのG1馬を世に送り込んだが、2021年のホープフルS(G1)の勝ち馬キラーアビリティや2022年の菊花賞(G1)を勝ったアスクビクターモア、2023年の天皇賞・春(G1)を制したジャスティンパレスなど晩年の産駒からも多くのG1馬を輩出している。英・愛ダービーを制したオーギュストロダンは、ラストクロップの1頭でもあった。
ハーツクライのラストクロップは、先述のルシフェルに加え、重賞馬レッドジェネシスの半妹ルージュスエルテ、松山弘平騎手が絶賛したファーヴェントの3頭を含め35頭。これら晩年のハーツクライ産駒も先輩たちのようにG1を勝利する姿が見られるかもしれない。