永島まなみ「連敗脱出」武豊1番人気馬を退け1ヶ月ぶり美酒!「オグリキャップ超え」掲げる新進気鋭トレーナーがJRA新馬戦初V
7日に行われた京都5Rの2歳新馬戦(芝1600m・牝馬限定)は、永島まなみ騎手のプシプシーナ(牝2歳、栗東・小栗実厩舎)が2番手追走から直線抜け出して勝利した。
レースは武豊騎手が乗るシルヴァリームーンが1番人気。桜花賞(G1)2着のシゲルピンクダイヤや、重賞勝ち馬シゲルピンクルビーの妹にあたる血統馬だ。近親に川崎記念(G1)2着エルデュクラージュなどがいるエピファネイア産駒のプシプシーナは、単勝7.9倍の4番人気でレースを迎えた。
プシプシーナと永島騎手はスタートを決めると、フルゲート18頭立ての前から2番手を絶好の手応えで追走する。ただ、そう楽には行かせまいと、4コーナーでは武豊騎手とシルヴァリームーンも外から進出を開始し最後の直線を迎える。
ハナを奪ったコネッシオーネがしぶとく逃げ粘っていたが、永島騎手のステッキに応えて脚を伸ばしたプシプシーナが直線半ばで交わして先頭に躍り出る。ゴール前では外から武豊騎手とシルヴァリームーンが差を詰めてきたが、3/4馬身差をつけて振り切った。
「勝負どころからゴールにかけての攻防はかなり見応えがありましたね。プシプシーナは永島騎手が『スタートが良く、4コーナーまでスムーズに回ってこられた』と振り返ったように、競馬センスの高さも目を引きましたが、同騎手の積極的なレース運びも光っていたと思いますよ。
最後は負担重量3キロ減の恩恵も大きかったと思いますが、評価が高かった武豊騎手のシルヴァリームーンを退けて初勝利を飾ったのだから価値がありそうです」(競馬誌ライター)
永島騎手はレース後、初戦白星を決めたプシプシーナについて「このまま順調に成長していってほしいです」と期待を込めた。ちなみに同騎手は9月3日以来となる約1ヶ月ぶりの白星。自身の連敗を49でストップさせた。
「オグリキャップ超え」新進気鋭トレーナーがJRA新馬戦初V
またプシプシーナを管理する小栗調教師は、これが嬉しいJRA新馬戦での初勝利となった。
今年3月に開業したばかりの小栗師は、今年でまだ36歳という新進気鋭のトレーナーだ。調教師試験には7回目の挑戦にして見事合格。ちなみにグラスワンダーが勝った1999年の有馬記念(G1)に感銘を受け、競馬界で働くことを志したそうだ。
そんな小栗師は岐阜県の出身である。岐阜でオグリといえば、真っ先にオグリキャップを思い浮かべる競馬ファンが多いに違いない。
同馬は地方・笠松で12戦10勝という実績を引っ提げて中央に殴り込み。JRA初出走となったペガサスS(G3)から怒涛の重賞6連勝を飾るなど、G1・4勝を含む中央・地方あわせて32戦22勝の成績を挙げた。武豊騎手とコンビを組んだラストランの有馬記念で奇跡の復活勝利を飾るなど、日本に一大競馬ブームを巻き起こすきっかけとなった1頭である。
なおオグリキャップの初代オーナーは小栗孝一氏。岐阜で同じ苗字ということで小栗師本人も血縁関係などを調べたというが、小栗氏とのつながりは特に見つからなかったようだ。
ただ同調教師は『中日スポーツ』の取材に対し「いつかオグリと言えば、小栗実と言われるぐらいになりたい」と力強いコメント。いつの日か地元の英雄を超えるような存在になることを目標に掲げている。
「小栗厩舎はプシプシーナで今年の8勝目を飾るなど、順調に白星を積み重ねているようです。先月の丹頂S(OP)を勝ったジャンカズマや、7月の函館2歳S(G3)で2着に入ったナナオなどの実力馬が所属しています。これから“小栗ブーム”を巻き起こすくらいの活躍に期待したいですね」(同)
「小柄なわりには体を維持しているし、心肺機能がいい。適性は1600mくらいだと思います」
レース後、プシプシーナをそう評した小栗師。次走は未定のようだが、これからのプシプシーナと永島騎手、そして小栗厩舎の活躍に大いに期待したい。