武豊「ある意味当然の選択」……南部杯(G1)参戦も交通費すら稼げず!? 「過去9勝」京都大賞典(G2)を捨てた切ないワケ
先週末の中央競馬は、恒例となった「スポーツの日」を含む3日間開催が行われた。
土曜のサウジアラビアロイヤルC(G3)は、3番人気ゴンバデカーブースが4角最後方から直線一気で勝利。日曜の毎日王冠(G2)は3歳馬のエルトンバローズがゴール前で4頭が横一線となる大接戦を制し、祝日の月曜に行われた京都大賞典(G2)は、プラダリアが好位から抜け出して、青葉賞(G2)以来、1年半ぶりの勝利を手繰り寄せた。
3日連続で行われた重賞だったが、どの出馬表にもあのレジェンドの名前はなかった。JRA通算4459勝を誇る武豊騎手である。
まず、土曜京都で7鞍に騎乗し、うち6鞍で3番人気以内に支持されたが、「0-3-0-4」とあと一歩勝利に届かず。日曜は同じく京都で「0-0-0-5」と、精彩を欠く騎乗が続いた。
月曜京都は、武騎手が過去9勝を挙げる京都大賞典(G2)がメインレースに組まれていたが、レジェンドの姿は淀にはなかった。その理由を自身の公式サイト上にある日記・コラムページに綴ってあったので紹介したい。
武騎手は4日付の日記に「祝日の9日月曜日は盛岡に飛んで南部杯のノットゥルノに乗ってきます」と記し、3日間開催の最終日は京都ではなく、地方の盛岡で南部杯(G1)に騎乗することを明かしていた。
さらに「月曜は過去9勝と相性抜群の京都大賞典が行われていますが、それを捨てて(騎乗依頼がなかっただけですが)の南部杯」と告白。京都大賞典で騎乗依頼がなかったことも盛岡参戦の理由の一つに挙げていた。
南部杯(G1)参戦も交通費すら稼げず!?
「武騎手とすれば、地元開催で相性がいい京都大賞典に乗りたい気持ちもあったはず。ただノットゥルノにはキャリア13戦中12戦で騎乗し、昨年のジャパンダートダービー(G1)をともに制したお手馬。近走の成績から苦戦を予想されていましたが、オーナーが金子真人氏ということもあってか南部杯への参戦を決めたのでしょう。
しかし、結果は大差勝ちしたレモンポップに大きく離されての6着。これでノットゥルノは、今年になって4戦連続で掲示板を外しています」(競馬誌ライター)
武騎手は「(南部杯は)G1ですし、賞金だって(京都)大賞典より高いんですから、ある意味当然の選択」と前出の日記に意気込みを記していたものの、5着カフェファラオとの“クビ差負け”も大きかった。
南部杯の5着賞金が490万円なのに対し、6着は着外手当の90万円だけ。武騎手が南部杯で手にした取り分は5%にあたる4万5000円ということになる。仮に京都―盛岡間を新幹線で移動したとすると、往復で5万円以上はかかるため、武騎手はこの日の交通費すら稼げなかったというわけだ。
結局、京都→盛岡での3日間開催を13戦全敗で終えた武騎手。今週末の秋華賞(G1)には伏兵ソレイユヴィータに騎乗予定だが、現時点で抽選対象となっているため、ゲートインが叶うかは運次第。本格的な秋のG1シリーズを前にまずは幸運を呼び込みたいところだろう。