【天皇賞・秋】世界のNo.1イクイノックスの快勝劇を見届ける! 忘れられない天上の恋物語ヘヴンリーロマンスと人生初「帯封」の思い出【東大式必勝馬券予想】
先週の菊花賞は衝撃だった。夏の新潟3勝クラスを怒涛の追い込みで勝ち上がったばかりのドゥレッツァが、今度は逃げの手に出て春のクラシック2騎を完璧に封じ込めた。
しかも、これが重賞初挑戦。これはメジロマックイーン以来の大物だ。2週続けて父ドゥラメンテに豪州産の母、ここは、ぜひ有馬記念で文字通り雌雄を決してもらいたい。
今週は古馬の中距離No.1決定戦、天皇賞・秋(G1、東京・芝2000m)。通称、秋天は私の子供の頃には3200m戦で(1983年まで)ステイヤーじゃなきゃ勝てないレースだった。
1977年にはマイル・中距離の歴史的名馬トウショウボーイが同期の菊花賞馬グリーングラスに向正面からタイマンを挑み、2頭が後続を大きく引き離して直線に入るという予想外の展開に場内は騒然。
結局、両馬とも脚が上がってしまい、ホクトボーイが大外から鬼脚を炸裂……天馬ボーイが7着、Gグラスが5着と共倒れ。まさに故事成語「漁夫の利」を画に描いたような結末となった。
1984年から2000mとなり、初回は三冠馬ミスターシービーが実力を見せつけ、1991年のメジロマックイーンは、まさかの降着(優勝プレクラスニー)。2008年の名牝ウオッカvsダイワスカーレットの2cm決着など名勝負を挙げるに暇がないが……。
ヘヴンリーロマンスと人生初「帯封」の思い出
ここでは2005年、私が三連単100万馬券を見事的中させた自慢のレースを挙げておこう。
この年は天皇賞前身のエンペラーズカップ誕生から100年を記念し、史上初めて天皇皇后両陛下を東京競馬場にお迎えし開催された。私は府中のスタンドから両陛下をお見上げし、かつて自分が制作・演出した「皇后美智子さま還暦記念特番」での、お二人が結ばれた“軽井沢テニスコートの恋”を思い返していた。
「これは天上の恋物語……ヘヴンリーロマンスだな!」
馬券は、そのヘヴンリーロマンスを頭に2着の欄には前年の秋古馬三冠(秋天・JC・有馬)覇者ゼンノロブロイ、3着はほとんど総流し。もちろん桜花賞馬ダンスインザムードもマークしてレースは始まった。
前半1000mは62秒4の超が付くスロー。直線に入ると好位3番手からダンスインザムードが抜け出し、大将ゼンノロブロイが襲いかかる。その2頭の間を割って突き抜けたのが1枠1番、白い帽子のヘヴンリーロマンスだった。
ウイニングランの後、鞍上の松永幹夫騎手がヘルメットを脱ぎ、両陛下に馬上から最敬礼。両陛下からも笑顔で温かい拍手が送られ、JRA史上最も美しい光景として皆様の記憶にもとどめられているだろう。
私は、あまりにも出来過ぎた予想と結末にまさに天上にも昇る思いだったが、配当を聞いて腰を抜かした。122万6130円!
ヘヴンリーロマンスは勘と閃きだけで選んだのでなく、牡馬相手に前走の札幌記念を快勝していたから。先輩の名牝エアグルーヴも1997年に連勝している。ゼンノロブロイの2着は実力No.1ながら洋行(英インターナショナルS・2着)ボケで勝ち切れないと見たから。3着のダンスインザムードは前年の桜花賞馬。1・3着の両牝馬が14、13番人気だったのは今から思えば不可解だが、ヘヴンリーな閃きと素直な実績重視がもたらした人生初の“帯封”であった。
ここらで「東大馬券王の大よそー」に移ろう。
ここは目下世界のNo.1ホース、イクイノックスの快勝劇を見届けるレースだ。そして、ジャパンC(G1)でのリバティアイランドとの対決に思いを馳せよう。2着には、もちろん好敵手で同期のダービー馬ドウデュースもマークするが、どうも去年の秋、凱旋門賞(仏G1)はともかく前哨戦のニエル賞(仏G2)を惨敗したのが気になる。秋口の軽いボケ?
むしろ前述ヘヴンリーロマンスもステップにした札幌記念(G2)の覇者プログノーシス、今まで全て3着以内の2冠牝馬スターズオンアースに食指が動く。
イクイNは宝塚記念(G1)でもスルーセブンシーズに迫られたし、ひょっとしての“レディファースト”があるかも……。3着もこの3頭にジャスティン・ジャックG1馬2騎に去年の3着ダノンベルーガを加えた6頭に絞り、素直な気持ちでヘヴンリーな結末を待つことにしよう。
天高く馬肥ゆる秋、お財布の方も肥えてほしいものだ。