「108連敗」今村聖奈が、「17連敗」藤田菜七子が会心の1勝! 永島まなみ、古川奈穂、小林美駒ら女性ジョッキー躍動の新潟が熱い
この秋、大注目のレース天皇賞・秋(G1)を翌日に控えた28日、東京・京都競馬場で重賞が行われた中、第3開場の新潟を盛り上げたのは女性ジョッキーだった。
トップジョッキーの参戦が少ない新潟開催には、将来の飛躍を目指す若手騎手が集結。この日は藤田菜七子騎手や、今村聖奈騎手、永島まなみ騎手ら若き女性ジョッキーも数多く参戦していた。
まずは5Rの2歳未勝利戦。芝1400mの最後の直線で古川奈穂騎手のコスモララバイが粘りに粘る中、大外から豪快に突き抜けたのが藤田騎手のアイファーバトル(牡2歳、美浦・根本康広厩舎)だった。
「ゲートは変わらず出ませんが、以前よりも道中で落ち着いて走れるようになりました」
レース後、これが3週ぶりの勝ち星となった藤田騎手がそう指摘した通り、デビュー戦から4戦連続で出遅れているアイファーバトルは、この日ももっさりとしたスタート。だが、デビュー戦から乗り続けている藤田騎手にとっては想定内だったか。道中は慌てず騒がず、最後の直線で大外に持ち出すと自慢の末脚を爆発させた。
「大外一気は藤田騎手の勝ちパターンの1つ。腹を括った騎乗が光りましたね。レース後に本人が『追いだしてから左にモタれて戻しながら、満足に追えませんでした』と振り返っている通り、途中で3着馬と接触しそうになりましたが、その辺りもこの馬に乗り慣れている分、上手く立て直していました」(競馬記者)
師匠の根本調教師の管理馬ということもあって、今後も継続騎乗が見込めそうなアイファーバトル。この日は1400mだったが、これなら距離延長にも対応できそうだ。
一方で、惜しくも敗れた古川奈騎手は「直線でフワッとするところもありましたが、よく最後まで頑張ってくれました」と相棒のコスモララバイを労っている。最後は勝ち馬の末脚に屈したが、6番人気の伏兵で2着と波乱を演じた。
さらに、その約30分後。続く新潟6Rで魅せたのが、今村騎手だ。
コンビを組んだワイルドベティ(牝4歳、栗東・今野貞一厩舎)は、積極策が実った前回のコンビで3着。今回も果敢に前に行くと、4角先頭から押し切って見せた。
「前回よりも相手が強いかと思いましたが、上手く先行することができました」
ダート1800mのレースで、スタートからしっかりポジションを主張したワイルドベティと今村騎手。先頭に立ちそうな勢いだったが、内からハナを主張したアナザーエースとケンカをしなかったのが、結果的に大きな勝因の1つとなった。
逃げ馬と呉越同舟の関係を結んでスローペースに持ち込むと、4コーナーで最後の直線を待たずに先頭へ。最後は後続に3馬身半差をつける楽勝だった。これには今村騎手も「思ったよりもスムーズな競馬ができた」と手応え。最後は「よく健闘してくれました」と相棒を称えた。
「ここ最近は、後ろからの競馬でクラスの壁にぶち当たっていたワイルドベティですが、今村騎手がスタートから積極的に出していくようになって馬が変わってきました。3馬身半差は展開がハマった面もありますが、だからこそ(スローペースを演出した)鞍上の騎乗が光ります。積極策が取れるようになった今なら、クラスが上がっても楽しみですね」(同)
なお、藤田騎手こそ3週18レースぶりの勝利だったが、今村騎手に至っては8月12日以来、約2か月半ぶりの勝利。108連敗と勝ち星から遠ざかっていただけに、本人にとっても嬉しい勝利となった。
さらに続く7Rでも藤田騎手が2着、小林美駒騎手が3着、8Rでは永島騎手が3着と女性ジョッキーの活躍が目立ったこの日の新潟。重賞レースの開催こそなかったが、トップジョッキーたちもローカル競馬で実績を残しての今がある。大舞台の活躍を目指す若手ジョッキーたちの熱い戦いにも注目したい。
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