C.ルメール騎手が武豊騎手の「トラウマ」を再び抉る!? 未完の大器シャケトラと「キタサンブラックの倒し方」を知る男が描く大番狂わせ
「こんなもんじゃない……」
前走の天皇賞・春(G1)は、シャケトラ(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎)にとって陣営の”嘆き節”が聞こえてきそうな結果だった。
日経賞(G2)でゴールドアクターやディーマジェスティ、レインボーラインといった実力馬を完封して重賞初制覇。6戦4勝2着1回3着1回という実績を引っ提げて挑んだ初G1は、キタサンブラック、サトノダイヤモンドの「2強」に次ぐ3番人気に支持された。
しかし、課題のゲート難が解消されずスタートで立ち遅れたシャケトラ。「2強」を始めとした強豪に挑むにあたって、あまりにも重い”ハンデ”を背負わされた。焦りもあったのだろうか。鞍上の田辺裕信騎手は即座に加速を促し、半ば強引にポジションを獲りに行ったものの、それで馬の気持ちに火がついてしまった。
折り合いが極めて重要視される長距離戦だけに、その時点でシャケトラの初G1は終わった。
最後は力尽きて9着に惨敗。ただ敗因がはっきりしているだけに陣営に悲観の色はなさそうだ。「まともに走れば……」という思いがより強くなっただけで、キタサンブラックとの勝負付けもまだ済んでいないはずだ。