【マイルCS】3歳馬の活躍がエルトンバローズを後押し!「4戦全勝」西村淳也の急成長が快進撃をバックアップ
19日に京都競馬場で行われるマイルCS(G1)。昨年優勝したセリフォスや2021年のNHKマイルC(G1)を制したシュネルマイスターなど、トップマイラーが淀の舞台に集結する。
人気はセリフォスとシュネルマイスターに集中しそうだが、昨年に3歳馬のセリフォスが頂点を極めたように、今年のエルトンバローズ(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)も侮れない1頭だ。
本馬はデビューから4戦未勝利と出遅れたが、西村淳也騎手と初コンビを組んでから4連勝と別馬のように出世。エルトンバローズに初めて乗った時、「未勝利にいる馬ではない」という感触を得た西村淳騎手の言葉通り、まるで別馬のような急成長を見せている。
初重賞勝ちを決めたラジオNIKKEI賞(G3)でレーベンスティールに勝利し、同馬はその後のセントライト記念(G2)で皐月賞馬ソールオリエンスをも破った。2頭の実績を物差しにすると、エルトンバローズもまた世代トップレベルの実力馬と言えるだろう。
中でも一際目を引いたのは、トップマイラーのソングラインやシュネルマイスターに勝利した前走の毎日王冠(G2)だ。敗れた2頭が、最後の直線でスムーズさを欠いたお陰という見方もあるが、運だけでG1馬2頭を相手にG2を勝利できるものではない。
さらにマイルCSで3歳世代の健闘が目立っているのも好材料。過去10年で3歳馬の優勝が3回と、古馬混合G1の中で有馬記念に次いで3歳馬が好相性のレースでもある。このまま5連勝を決めてG1タイトルを獲得するようなら、今後のマイル路線を牽引していく存在となれるはずだ。
「4戦全勝」西村淳也騎手の急成長が快進撃をバックアップ
ただ、エルトンバローズの快進撃と鞍上の西村淳騎手の手腕は切り離せないことも事実である。
先週の開催終了時点で67勝を挙げて全国リーディング10位と好調。ローカル中心だった昨年から主開催へと活躍の場を広げ、今年のG1戦線ではガイアフォースとのコンビで人気を上回る着順に健闘した。
先週12日に行われた日曜京都の10R室町S(OP)では、12番人気の超人気薄アイスリアンで大波乱を演出。乗れる若手騎手の注目株として好成績を残している。
また、西村淳騎手が大波乱を起こしたレースとして有名なのは、10頭立ての最低人気だったギベオンで、大本命に推された三冠牝馬デアリングタクトを相手に大金星を挙げた21年の金鯱賞(G2)だろう。このときの単勝はなんと2万2730円、三連単78万3010円を演出した。騎乗馬の人気に関係なく、何かをやってくれそうな予感が持てる騎手である。
西村淳騎手が「計り知れない能力を持っている」と期待を募らせるエルトンバローズ。田中調教助手も「右回りがいいし、京都も経験しているのは強み。能力が高い馬だし、G1メンバーでどこまでやれるか楽しみです」と前向きなコメントも出た。
覚醒しつつある3歳馬&24歳ジョッキーの若武者コンビの一発に期待したい。