「幻のダート最強候補」が1年1か月ぶりの復帰! レモンポップ以上のインパクト残した衝撃再び…「勢力図塗り替える」可能性を持つ超大物の走りを見逃すな

レモンポップ 撮影:Ruriko.I

 イクイノックスとリバティアイランドが直接対決するジャパンC(G1)で盛り上がる競馬界だが、それ以上にハイレベルの激戦を繰り広げているといえそうなのは、現在のダート戦線かもしれない。

 春にサウジC(G1)をパンサラッサ、ドバイワールドC(G1)をウシュバテソーロが優勝したことにより、長らく高過ぎる壁と考えられてきた海外ダートG1勝利という夢を立て続けに叶えた今年。南部杯(G1)を楽勝した今年のフェブラリーS(G1)覇者レモンポップもチャンピオンズC(G1)への出走を表明した。

 3歳世代にも22年ぶりに無敗で南関三冠に輝いたミックファイア。先日のみやこS(G3)を圧勝してデビューから無敗の5連勝を決めたセラフィックコール、3連勝全てが楽勝のヤマニンウルス、ブリーダーズCクラシック(G1)で2着に入ったデルマソトガケなど、新時代のヒーローと嘱望される有望株も登場している。

 まさに近年稀に見るどころか、もはや史上最高レベルのメンバーたちが、国内のみならず、世界を目指して羽ばたいていくだろう。

 例年以上の大豊作となった近年のダート戦線だが、現在の勢力図を塗り替えても不思議ではない「幻のダート最強馬候補」が約1年1か月ぶりに戻ってくる。

「幻のダート最強候補」が1年1か月ぶりの復帰!

 それが、19日の日曜東京メイン・霜月S(OP)で復帰を予定しているデシエルト(牡4、栗東・安田隆行厩舎)だ。

 ドレフォン産駒の本馬は、母系にキングカメハメハやエアグルーヴの血を持つドゥラメンテの近親。ダート1800mを連勝して2022年に挑んだ芝の若葉S(L)を勝利したこともあって、クラシック候補の一角にも名を連ねた逸材である。

 結果的に皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)でともに二桁着順と凡走したものの、秋に再びダートへ転じたグリーンチャンネルC(L)で1600mを1分33秒5(重)というスーパーレコードで快勝。同レースで3/4馬身差2着に退けたギルデッドミラーは、次走の武蔵野S(G3)でレモンポップを破って優勝した馬でもあった。

 敗れたレモンポップが翌年のフェブラリーSを快勝し、ギルデッドミラーを幻のG1馬と呼ぶ声も出たほど……。その実力馬に完勝したデシエルトの評価が相対的に引き上げられたのも無理はない。当時は前述2頭よりデシエルトの底知れない強さのインパクトが上だったといっても過言ではないだろう。

 また、血統的にマイルから中距離を苦にしないデシエルトなら、チャンピオンズCやサウジCの1800mやドバイワールドCの2000mも問題ない。もし復帰戦の霜月Sを快勝してダート無敗が続くようなら、ダートでの天下取りも夢ではないはずだ。

「幻のダート最強馬候補」は、長期休養明けの復帰戦で噂に違わぬ実力を披露してくれるだろうか。ダート界の今後を占うレースに注目したい。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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