「サウスポー」菅原明良が重賞で課題克服に前進!期待の先輩騎手はジャスティンパレスに続く不運?

菅原明良騎手 撮影:Ruriko.I

 先週末のジャパンC(G1)は、圧倒的1番人気に支持された世界最強馬イクイノックスが、3歳の三冠牝馬リバティアイランドに4馬身の差をつける完勝。4キロ差の斤量を問題にしない格の違いを見せつけ、二強ではなく一強だったことを証明した。

 多くのファンを魅了した注目レースの余韻が残る中、裏開催の京都ではメインレースの京阪杯(G3)が開催。フルゲートの混戦から抜け出したのは、菅原明良騎手が騎乗したトウシンマカオ(牡4、美浦・高柳瑞樹厩舎)だった。本馬を管理する高柳瑞調教師は、スターズオンアースを送り込んだジャパンCで3着に敗れたものの、約30分後に管理馬の重賞勝ちという朗報が舞い込んだ。

 近走惜敗続きだったパートナーを、鮮やかな勝利へ導いた菅原明騎手だが、コンビを組んだのは今回が初。昨年に続く連覇を達成したトウシンマカオについて、レース後のコメントで振り返ったように「去年の京阪杯の映像をしっかりと観て」研究していたらしい。結果的にも「長く脚を使ってくれるところが良い」「その通りにとても良い走りでした」と一発回答で陣営の期待に応えた。

「機会を下さったオーナーに感謝したいです。まだまだ足りない部分があるので、これからもさらに成長していきたいです」

 チャンスのある重賞勝ち馬の鞍上に起用してもらった陣営に対し、感謝の気持ちを伝えた菅原明騎手だが、謙虚な姿勢で活躍を誓った。

「サウスポー」が重賞で課題克服に前進!

 また、菅原明騎手といえば、一部のファンから「典型的なサウスポー」と評されている通り、左回りのコースで好成績を残している騎手だ。今年の成績でも左回りで右回りの2倍近い勝率を誇り、当然ながら中山よりも東京や新潟、中京で存在感が光る。今後の課題となるのは、苦手とされる右回りでの成績アップだろう。そういう意味では、右回りの京都で重賞勝ちを決めた意味は大きい。

鮫島克駿騎手 撮影:Ruriko.I

 期待の若手として注目の集まる菅原明騎手に対し、またしても不運に見舞われた格好となってしまったのは、4年先輩の鮫島克駿騎手か。昨秋からコンビを組んでいたトウシンマカオだが、昨年の京阪杯を勝利した後は惜敗続き。2走前のスワンS(G2)で横山和生騎手へと乗り替わった際は9着に敗れていたが、乗り替わり2戦目で元お手馬が勝利した。

 先週の開催を終えた全国リーディングで、11位の菅原明騎手より上の9位につけている鮫島駿騎手だけに、成績が拮抗している相手に勝たれたのは少々複雑な心境だろう。

 オークス(G1)で3番人気に推されたコナコーストは、D.レーン騎手に乗り替わり。自身に手綱の戻った秋華賞(G1)だが、4番人気で8着に敗れた。神戸新聞杯(G2)で重賞初勝利に導いたジャスティンパレスもT.マーカンド騎手、C.ルメール騎手へと乗り替わったのちに再び騎乗した宝塚記念(G1)で3着と善戦した。

 しかし、コンビ続行を期待された天皇賞・秋(G1)は、横山武史騎手が騎乗してイクイノックスの2着に好走。不運というかツキがないというか、乗れる若手であることは間違いないはずなのに、結果的に降板となってしまった。

 桜花賞(G1)で勝利目前だったコナコーストがリバティアイランドに敗れた際、「1着しか評価されないと思っています」と振り返った鮫島駿騎手。勝負事の世界のため、勝たないと評価されないことは本人も十分過ぎるほど分かっているはず。分かりやすいレース後のコメントも好評な有望株の再浮上に期待したい。

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