同じ年でも実は「中学生VS小学生」くらいの差?過去にはレイデオロやウイニングチケットを輩出、注目の出世レースで期待馬2頭が激突
2023年も残すところあと1か月。JRAで開催されるG1レースは、今週末のチャンピオンズC、阪神ジュベナイルF、朝日杯フューチュリティS、有馬記念、そしてホープフルSまで5つを残すのみとなった。
このうちの3つのG1は2歳馬による争い。来春のクラシックやNHKマイルC(G1)を目指す若駒が、2歳チャンピオンの座を懸けて次々と登場する。
そんな中、今週土曜日に中山競馬場で行われる葉牡丹賞(1勝クラス)も、これまで多くの活躍馬を輩出したレースとして知られている。
1992年の勝ち馬ウイニングチケットと、2016年の勝ち馬レイデオロは、それぞれ翌春に日本ダービー(G1)を制覇。他にも、タイキフォーチュンが翌年のNHKマイルCを、トーセンジョーダンが古馬になって天皇賞・秋(G1)を勝ってG1馬となった。
注目の出世レースで期待馬2頭が激突
そんな出世レースに今年は13頭が登録。最有力候補として、新馬戦を快勝したレイデオロ産駒のトロヴァトーレの名前が挙がっているが、2番手以下も大きな力差はなく、混戦模様といえるだろう。
対抗格の筆頭として挙げられるのが、10月東京の2歳新馬戦(芝1600m)でデビューVを飾ったショウナンラピダス(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
こちらは昨年の1歳セレクトセールにて、2億4200万円(税込)で落札された期待馬で、父が次々と大物産駒を送り出しているドゥラメンテとあって、クラシック候補に名乗りを上げても不思議ではないだろう。
また本馬の誕生日は1月3日と、同世代の中でかなりの早生まれ。完成度の高さも求められるこの時期の2歳戦では、大きなアドバンテージになるのではないだろうか。
そんなショウナンラピダスやトロヴァトーレの逆転候補として名前を挙げておきたいのは、9月中山のデビュー戦(芝2000m)でトロヴァトーレの3着に敗れた、ゴールドシップ産駒のマイネルフランツ(牡2歳、美浦・和田正一郎厩舎)だ。
2戦目に東京で勝ち上がった際は、芝2000mのレースで3番手の好位から上がり3Fメンバー2位の切れ味を見せた素質馬。デビュー前に陣営から、「馬体面、気性面ともに不安定」というコメントが出ていたように、まだまだ幼さを残している状態である。
しかし、マイネルフランツが他馬に比べて幼いのは当然のことだろう。同馬は誕生日が6月6日というかなりの遅生まれ。葉牡丹賞で対戦するショウナンラピダスとは実に5か月以上もの差がある。
「まだ成長途上の2歳馬にとって、5か月の差はかなり大きいですよ。サラブレッドは1月1日に一斉に年齢を重ねるルールになっていますが、厳密に生年月日に基づけば、ショウナンラピダスは約1か月後に3歳の誕生日を迎えます。
一方で、マイネルフランツが3歳になるのは来年のダービーや安田記念(G1)を終えた半年以上も先のこと。換算方法は諸説ありますが、人間の年齢にすると、現時点でショウナンラピダスが中学3年生、マイネルフランツは小学6年生といったところでしょうか」(競馬誌ライター)
2頭の完成度を比べれば、当然の如くショウナンラピダスに分があるが、ここでマイネルフランツが好勝負を演じるようなら、今後の活躍が楽しみになるだろう。「小学生対中学生」と言っては言い過ぎかもしれないが、皐月賞(G1)と同じ舞台で相まみえる2頭の“年の差対決”にも注目したい。