M.デムーロ「今回はさすがに飲んじゃった」無念の降板から朗報!コンビ継続で2年ぶりV狙うチャンピオンズC…「無敗の怪物バトル」まで負けられない?
イクイノックスが圧勝を飾ったジャパンC(G1)も終了し、今週末からいよいよ12月に突入。次の注目は世界最強馬の動向だ。
一部ではラストランになる可能性も噂されていた本馬だが、オーナーであるシルクレーシングからの正式な発表は、まだされていない。このまま引退して種牡馬入りするか、それとも有馬記念(G1)の出走があるか。はたまた来年の現役続行という嬉しい報せがあるかもしれない。
イクイノックスの去就に注目が集まるのは当然として、今週末に中京競馬場で行われるダートの頂上決戦、チャンピオンズC(G1)にも「ダートの怪物候補」と評されるセラフィックコール(牡3、栗東・寺島良厩舎)が出走を予定している。
2月阪神の3歳新馬(ダート1800m)を圧勝した同馬は、デビューから無傷の5連勝でみやこS(G3)を勝利。しかも4戦続けてスタートで出遅れ、初重賞勝ちとなった前走でもゲートが開いてすぐに躓く不利を跳ねのけての快勝だった。
JRAアニバーサリー(3勝クラス)から、今回のチャンピオンズCで3戦続けて手綱を取るM.デムーロ騎手は、パートナーの潜在能力の高さにゾッコン。『netkeiba.com』で連載中のコラム内でも「僕、ホントにこの馬は化け物」「モノが違う!」と驚きを隠せなかったほどの逸材である。
その期待に応えるかの如く、セラフィックコールもチャンピオンズCに向けた29日の追い切りで栗東のCWを86秒7-ラスト11秒6をマーク。このまま無敗での天下取りに期待を抱かせる走りを見せた。
また、デムーロ騎手にとって朗報となったのが、前走に続いてのコンビ続行が決まったことだろう。
「無敗の怪物バトル」まで負けられない?
当初、天皇賞・秋(G1)でスターズオンアースとのコンビが発表されていたものの、レース前に急遽の出走回避。次走のジャパンCで騎乗を期待されたが、ショウナンバシットとの兼ね合いで実現は叶わなかった。
現役時代に名コンビだったドゥラメンテの産駒にデムーロ騎手が騎乗することは、多くのファンも楽しみにしていたはず。勿論、最も残念だったのはデムーロ騎手であり、いつもはお酒を飲まないにもかかわらず、「今回はさすがに飲んじゃった(笑)」と振り返っていた。
だが、みやこS後に「ずっと乗せていただいたことにとても感謝しています」とコメントしていたため、もしかしたら他の騎手に乗り替わる可能性もゼロではないのかと心配されたとはいえ、無事に本番を迎えられそうなことはよかった。
かつてはG1の大舞台で縦横無尽に暴れまわっていたデムーロ騎手も、以前に比べて近年はチャンスのある馬に騎乗する機会が激減してしまった。あれだけ大活躍をしていた名手が、2年前の阪神ジュベナイルF(G1)を最後に勝利から遠ざかっている事実は、少々意外に思えるほどだ。
G1レースで相手は決して楽ではないが、数々の名馬の背中を知る名手が、これほど高く評価したセラフィックコールなら久々の美酒も夢ではない。同じ3歳世代に南関三冠馬ミックファイアやヤマニンウルスといった大物もいるが、近い将来に「無敗の怪物バトル」を実現させるためにも、負けられない戦いとなる。