ロードカナロア後継種牡馬に期待の新星が加入!その裏で「種牡馬リーディングトップ」は深刻な後継不足

パンサラッサ 撮影:Ruriko.I

 供用開始から一貫して人気種牡馬のロードカナロア。JRA最多となる国内外の芝G1・9勝の名牝アーモンドアイを送り出すなど、競馬界に大きな影響を与えた名種牡馬と言えるだろう。

 今年の種牡馬リーディングでも現在2位。産駒勝利回数は143勝でトップと、存在感はあるものの、近年は種付け頭数が減少しつつある。

 そんな中でロードカナロア後継種牡馬の活躍も目立つようになってきた。今年の種付け数も人気のサートゥルナーリアが201頭、ダノンスマッシュが128頭と好調だ。

 現在複数いるロードカナロアの後継種牡馬だが、ここに期待の新星が加入する。それが「令和の逃亡者」ことパンサラッサ(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 パンサラッサのラストランは、イクイノックスやリバティアイランドなど国内トップホースたちが顔を揃えたジャパンC(G1)だった。2400mという距離不安などどこ吹く風、終始自分の競馬に徹した。結果的に12着と大敗したものの、レースを大いに盛り上げてファンに感動を与えた。

 関係者も熱い想いを隠せない。矢作師は「心に残る馬でしたね」と振り返り、今年9月に定年を迎えた池田康宏元厩務員は「ほんまにいっぱいの思い出をありがとう」と『日刊スポーツ』の取材にコメント。主戦の吉田豊騎手も「またパンサラッサの子供にも乗ることができたら」と産駒への期待を『スポーツ報知』の取材で口にしている。

 海外で芝・ダートG1を勝利したという実績、母父が凱旋門賞(仏G1)を制したフランスの名馬モンジュー、非サンデーサイレンス系という種付けのしやすさなど、人気が出る要素が揃っているパンサラッサ。産駒の活躍次第では、サートゥルナーリアを超える種付け頭数になることもあり得るだろう。

その裏で「種牡馬リーディングトップ」は深刻な後継不足

 ロードカナロアの後継種牡馬が人気の一方で、同じくキングカメハメハを父に持つ、ある種牡馬の後継不足が懸念されている。それが今年の種牡馬リーディングトップを走るドゥラメンテだ。

 早逝のため5年しか供用していなかったにもかかわらず、ドゥラメンテ産駒の通算G1勝利数は中央・地方合わせて14勝。今年だけでもG1を6勝とまさに破竹の勢い。まだ若いうちにこの世を去ってしまったことは非常に残念だ。

 現時点で後継種牡馬候補として注目を集めているのは、年内引退が噂されているタイトルホルダーだ。陣営は有馬記念(G1)の出走を発表しており、これがラストランになる可能性は高い。

 しかしながら、近いうちに種牡馬になれそうなのがタイトルホルダーくらいである点は、不安を残している。他の牡馬でG1を勝っているのは、ドゥラエレーデ、シャンパンカラー、ドゥレッツァと全て3歳馬。競走馬としてのキャリアが楽しみな反面、種牡馬入りはまだ先の話。タイトルホルダーが種牡馬入りした暁には、しばらく1頭で頑張ってもらう必要がありそうだ。

 またリバティアイランド、スターズオンアース、アイコンテーラー、ヴァレーデラルナなど活躍馬に牝馬の割合が多いのもドゥラメンテ産駒の特徴。ダイナカール、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴと続く牝系の強さが表れているのだろう。

 ともに10~11年リーディングサイアーのキングカメハメハを父に持つロードカナロアとドゥラメンテ。両者の子孫が末永く熱いレースを見せてくれることを願うばかりだ。

GJ 編集部

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