武豊が「絶大な信頼」を寄せる黒岩悠とは一体何者? 現役最強馬キタサンブラックを誰よりも知る「影の主戦騎手」の正体


騎手としてのハイライトは2006年のドリームパスポートですね。もともと本馬の調教を担当していたんですが、その年の皐月賞直前で主戦のデムーロ騎手が騎乗停止になったことで急きょ出番が回ってきました。結果は10番人気の低評価を覆しての2着。あの時は『高田ってこんなに乗れたのか!』と驚いた人も多かったようです」(競馬記者)

 その後、日本ダービーこそ四位洋文騎手が騎乗したものの、再び高田騎手にチャンスが回ってきた神戸新聞杯(G2)は見事に勝利。それは今や一流の障害騎手として名を馳せる高田騎手の、唯一の平地での重賞勝利だった。

 それでもやはりドリームパスポートには乗せてもらえず、他の騎手で挑んだ菊花賞やジャパンC、有馬記念で勝ちきれない競馬が続いた時は、ファンからも「高田を乗せてほしい」と強い声が上がったほどだった。

 結局、高田騎手が再びドリームパスポートに騎乗できたのは翌年の有馬記念。すでに障害騎手として売り出し中だった高田騎手は前日の中山大障害にも参戦しており、年末の障害と平地の”両グランプリ”に参戦した史上初の騎手となっている。

 清水厩舎の調教騎手となったことで、キタサンブラックという現役最強馬の背中を誰よりも深く知ることとなった黒岩騎手。果たして、その何物にも代え難い貴重な財産が、ドリームパスポートで輝きを放った高田騎手のように「本当の意味」で活かされる日が来るのだろうか。

 騎手としての現在の目標を「重賞を勝つこと」と定めている黒岩騎手。「気持ち的にも身体的にも、やれるところまで一生懸命頑張りたい」と語る”勝負師”の目は、まだまだ野望に満ちているようだ。

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