【東京大賞典(G1)展望】無敗三冠ミックファイアVS世界王者ウシュバテソーロ! JBC覇者キングズソード、チャンピオンズC2着ウィルソンテソーロら豪華メンバー
世界のウシュバテソーロ出陣! 豪華メンバーの東京大賞典
29日、大井競馬場では東京大賞典(G1)が行われる。地方競馬で唯一の国際G1競走とあって、近年も非常にハイレベルな好メンバーがそろいそうだ。
実績最上位はダート界を席巻中の「テソーロ軍団」の大将格、ウシュバテソーロ(牡6歳、美浦・高木登厩舎)だ。
デビューから芝の中長距離路線で3勝を挙げたが、3勝クラスで頭打ちとなり、5歳春にダート路線に転向。初戦Vの後、2戦目のラジオ日本賞(OP)で3着に敗れたが、その後は次々と勝利を重ねていった。
昨年の当レースでは重賞初挑戦ながら2番人気に推されると、ノットゥルノに1.3/4馬身差をつけて優勝。続く年明け初戦の川崎記念(G1)でテーオーケインズを完封すると、川田将雅騎手との初コンビで臨んだドバイワールドC(G1)を制覇し、賞金約9億円をゲットした。
その後は半年間の休養を挟んで、日本テレビ盃(G2)で始動。他馬より2kg重い58kgを背負ったが、2着馬に2馬身半の差をつける楽勝で、米ブリーダーズC(以下BC)挑戦に弾みをつけた。
そして迎えた大目標のBCクラシック(G1)は国内オッズで圧倒的1番人気、現地でも上位人気の一角に推されたが、直線で伸びを欠いて5着まで。1年近く続いた連勝は「6」でストップしてしまった。
1年ぶりとなる大井競馬場で、前走敗戦のショックを払拭できるか。オメガパフュームに次ぐ史上5頭目の連覇に期待が懸かる。
チャンピオンズCの2着で勢いに乗るウィルソンテソーロ
同じテソーロ軍団のウィルソンテソーロ(牡4歳、美浦・小手川準厩舎)も有力視される1頭だ。
昨夏にダート路線に転向すると、怒涛の4連勝で一気にオープン入り。今年3月の名古屋城S(OP)で5着に敗れて連勝は止まったが、その後はかきつばた記念、マーキュリーC、白山大賞典と地方のG3を3連勝した。
勢いそのままに大井で開催された今年のJBCクラシックでG1初挑戦を果たしたが、ここは5着に敗退。G1では格下と評価を下されたのか、続くチャンピオンズC(G1)で12番人気まで人気を落としたが、テン乗りの原優介騎手を背にレモンポップの2着に好走し、高配当を演出した。
それまでは先行して粘り込む競馬を見せていたウィルソンテソーロだが、チャンピオンズCではスタートで遅れてしまい後方待機策。逃げ先行馬が上位を占めたレースで最後に見せた切れ味は今後のさらなる活躍をイメージさせるには十分だった。
大井では2走前に敗れているが、1500mから2100mまで幅広い距離で勝利を挙げており、左右の回りも気にしないタイプ。原騎手を背に兄貴分ウシュバテソーロとの一騎打ちに持ち込んでも何ら不思議ではないだろう。
ミックファイアは真価が問われる一戦
そんなテソーロ軍団の2頭に挑むのは、今年の南関東で史上2頭目となる無敗三冠を達成したミックファイア(牡3歳、大井・渡辺和雄厩舎)だ。
昨年9月のデビュー戦から3連勝で2歳シーズンを終えると、三冠初戦の羽田盃にはぶっつけ本番で参戦。賞金順的に出走は微妙だったが、何とか出走にこぎつけると、4番人気の低評価を覆して6馬身差の圧勝劇を飾った。
さらに続く東京ダービーで6馬身差、JRA所属馬と初対戦となったジャパンダートダービー(G1)でも2馬身半差をつけて同世代相手に敵がいないことを証明した。
秋は3歳限定の盛岡ダービーグランプリから始動。圧倒的な1番人気に支持されると、マンダリンヒーローに1馬身半差をつけ、デビューからの連勝を7に伸ばした。
その後は参戦の意思を示していたJBCクラシックとチャンピオンズCを相次いで回避。万全の態勢で暮れの大一番に臨む。初となる古馬、そして一流のJRA所属馬を相手に一体どんな競馬を見せてくれるのか。地元大井の雄がデビュー8連勝での頂上獲りに挑む。
JBCクラシック覇者キングズソードも当然優勝候補
目下の充実度ならキングズソード(牡4歳、栗東・寺島良厩舎)がメンバー最上位かもしれない。
今年初戦の伊丹S(3勝クラス)を勝ってオープン入りすると、昇級初戦のアンタレスS(G3)こそ3着に敗れたが、その後は三宮S(OP)と阿蘇S(OP)を勝利。そしてG1初挑戦の前走JBCクラシックを4馬身差で完勝した。
前走が約3か月ぶりの実戦で、馬体重も12kg増とやや余裕残しの馬体。レース内容も3番手から抜け出す横綱相撲でまだ伸びシロを感じさせる走りだった。伸び盛りの4歳馬が再び大井でその強さを見せつけるか。
ダートで目覚めた2歳王者ドゥラエレーデ
昨年のホープフルS(G1)を制したドゥラエレーデ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)は、前走のチャンピオンズCを含めてダートで3戦して全て馬券圏内とまだ底を見せていない。登録があった有馬記念(G1)を回避して、暮れの大一番で砂の王者を狙う。
これら以外にも、昨年の当レース2着馬ノットゥルノ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)、今春のダイオライト記念(G2)と平安S(G3)を連勝したグロリアムンディ(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)、日本テレビ盃でウシュバテソーロの2着に入ったテンカハル(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)らが出走予定となっている。
2023年を締めくくるダート競馬の総決算レースを制するのは果たしてどの馬か。発走は29日の15時40分を予定している。