タスティエーラ、ソールオリエンス「完敗」で混戦模様に? 気になるJRA賞「最優秀3歳牡馬」タイトルの行方
ドウデュースと武豊騎手のコンビが優勝した今年の有馬記念(G1)。3歳牡馬として挑んだタスティエーラ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)は6着、ソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)は8着だった。
最後の直線で進路が塞がる不利があったタスティエーラだったが、R.ムーア騎手は「最終コーナーから直線までスムーズに運べませんでした」と、勝負どころでのロスを悔やむコメント。皐月賞馬ソールオリエンスと新コンビを組んだ川田将雅騎手は「これも良い経験になったと思います」と、敗れたもののこの先に向けて前向きなコメントを残している。
今年のクラシックホース2頭が古馬相手にどれだけ通用するか期待してレースを見ていたファンも多かったはずだが、残念ながら結果を出すことはできなかった。
この結果を受けて難しくなったのが、JRA賞最優秀3歳牡馬タイトルの行方だ。
最優秀3歳牡馬タイトルの行方
ダービー馬のタスティエーラか、皐月賞馬のソールオリエンスのどちらかが有馬記念を勝てば当確と思われたが、先述の通り2頭とも掲示板に載ることは叶わなかった。そのため現時点では、三冠レースすべてで連対を果たしているタスティエーラがタイトルの最有力候補か。
ただ、そんな同馬に菊花賞(G1)で3馬身半差をつけて完勝しているのがドゥレッツァ(牡3歳、美浦・尾関知人厩舎)である。
同馬は重賞タイトルこそ菊花賞のみとはいえ、2023年は4戦4勝。元JRA騎手の安藤勝己氏も有馬記念が終わった後、自身のXに「(3歳)牡馬はドゥレッツァが真打かもしれない」とポストしており、同様の考えを持つ記者から票が集まったとしても不思議ではない。
「今年のように牡馬三冠レースを3頭で分け合い、なおかつ天皇賞・秋(G1)やジャパンC(G1)、有馬記念といった主要G1を古馬が制したケースは過去にもあります。その場合、2013年のキズナ、17年のレイデオロはダービー馬が最優秀3歳牡馬のタイトルを獲得。14年と19年は皐月賞馬のイスラボニータとサートゥルナーリアがそれぞれ賞に輝きました。
近年の例を見る限りだと、菊花賞馬は分が悪いようですが、今年は23年ぶりに皐月賞馬とダービー馬が揃った菊花賞でした。そんな中でドゥレッツァはタスティエーラとソールオリエンスに影すら踏ませず完勝していますからね。純粋な将来性ではNo.1かもしれませんが、果たしてどういう結果になるでしょうか」(競馬誌ライター)
また今年の3歳牡馬は他にも、ブリーダーズCクラシック(G1)で日本初となる連対を果たしたデルマソトガケや、豪州のゴールデンイーグルを制し約5億円の賞金を獲得したオオバンブルマイなどもいる。海外で結果を残した馬たちが票を獲得することになるかもしれない。
受賞馬が発表される来年1月を楽しみに待ちたいところだ。