矢作芳人厩舎「10頭出し」で逆転リーディングに大攻勢! 連闘は「一番得意なローテーション」、「中4日」の強行軍でミラクル起こす?
暮れの大一番・有馬記念(G1)も終了し、残すところあと1日となった今年の中央競馬。ホープフルS(G1)の結果ももちろんだが、気になるのは各種リーディング争いの行方だ。
騎手部門は先週終了時点で163勝を挙げているC.ルメール騎手がトップ。2位の川田将雅騎手が149勝であり、28日の騎乗が4鞍であることから、最終日を待たずして2年ぶりとなるリーディングジョッキーへの返り咲きを確定させた。
また調教師部門は、55勝で栗東の杉山晴紀厩舎が首位に立っている。
今年は看板馬デアリングタクトが一走もできずに引退してしまったものの、ジャスティンパレスが天皇賞・春(G1)を優勝。他にも重賞2勝のエルトンバローズなど実力馬を管理する開業8年目・42歳の若きトレーナーは、このままいけば初の調教師リーディングに輝くこととなる。28日は3レースに計4頭が出走予定となっている。
そんな杉山晴厩舎に対し、最終日での大逆転を狙うのが、昨年のリーディングトレーナーである矢作芳人調教師だ。
今年ここまで50勝を挙げ、トップから5勝差の2位につける矢作厩舎は、最終日は8レースに大挙10頭出し。ホープフルSに出走する大器シンエンペラーを始め、前走のレパードS(G3)で1番人気に支持されたミスティックロア、前走でともに3着に好走しているメリタテスにシュタールヴィントなど、十分に複数勝利を狙えるラインナップである。
「一番得意なローテーション」でミラクル起こすか
とはいえ、先述の通りトップと並ぶには最低でも5勝を挙げる必要があり、なおかつ杉山晴厩舎が未勝利に終わらなければならない。JRA通算840勝を誇る名門とはいえ、常識的に考えるとここから差し切るのは至難の業だろう。
また矢作厩舎が28日に出走させる10頭のうち、3頭は中1週、阪神3Rのドゥマイシングは連闘という強行軍で挑むこととなる。しかも今週は木曜開催という変則日程のため、中1週といってもほぼ連闘に近い状況であり、ドゥマイシングに至っては23日から中4日という超過密日程でレースを迎えることとなる。
ただ、矢作調教師といえば2018年、安土城S(OP・当時)2着から連闘となったモズアスコットで、安田記念(G1)を制した実績の持ち主でもある。
常識に囚われないのが師の持ち味でもあり、上記の安田記念の前には「連闘は僕が一番得意なローテーション」とも話していた。短いレース間隔での出走にはかなりの自信を持ち合わせているだけに、ひょっとしたらミラクルを起こすかもしれない。
今年はパンサラッサで日本馬初となるサウジC(G1)制覇もやってのけた“世界のYAHAGI”厩舎。果たして最終日で大逆転はあるだろうか。