【中山金杯】1番人気騎乗も「惨敗」で初白星お預け…イクイノックスの名門が期待を寄せる「ドイツの名手」は翌日以降巻き返しへ
6日に行われた今年最初の関東重賞・中山金杯(G3)。好位から抜け出した5番人気リカンカブールが、ゴール前の接戦を半馬身差で制して優勝した。
騎乗した津村明秀騎手はレース後、「手応えも抜群でしたし、期待通りに伸びてくれました」とパートナーを称賛。さらに「これからもっと良くなると思います」と話しており、幸先の良いスタートを切った人馬が今年の中距離路線を盛り上げてくれそうだ。
その一方で、1番人気に推されたエピファニー(牡5歳、美浦・宮田敬介厩舎)は直線で伸びを欠き、まさかの11着に終わった。
前走のチャレンジC(G3)では0秒2差の4着に敗れていたエピファニーだが、リカンカブールには先着していたことから、ここでも勝ち負けできる能力は十分あったと思われる。
ただ、この日は頭を上げながら1コーナーを回るなど、前半はかなり掛かり気味に追走。4コーナーではリカンカブールと並ぶような位置にいたのだが、最後の直線に入ると余力が残っていなかったようで後退していってしまった。
これによりJRA初勝利のチャンスを逃してしまったのが、この日から短期免許で騎乗しているR.ピーヒュレク騎手である。
トルカータータッソとのコンビで2021年の凱旋門賞(G1)を制したことでも知られるドイツ人の同騎手は、今回が日本競馬に初参戦。最初の騎乗となった中山3Rのユズノキは2番人気に推されたが、後方で見せ場なく12着に敗退。続く4Rの新馬戦でも3番人気5着と、午前中はともに人気以下に敗れた。
ただ9Rのジオフロントでは2着に入り、初の連対を確保するなど、その実力の片鱗を見せつける格好に。そして中山金杯のエピファニーは初の1番人気馬に騎乗ということもあり、初勝利が期待されたのだが、結果は先述の通り……。最終12Rでも敗れたため、この日は9鞍に騎乗したものの勝利ナシに終わってしまった。
契約馬主はイクイノックスも所属した名門シルクレーシング
ただ、初日は白星こそ挙げられなかったものの、36歳のピーヒュレク騎手は昨年、ファンタスティックムーンとのコンビで初の独ダービー(G1)を制し、年間でも56勝を挙げてドイツリーディング2位。過去3年間でも同リーディング5位以内をキープしていることから、腕利きであることは疑いようがない。
エピファニーに関してはレース後、「道中はずっとペースが流れず、この馬に向かない展開でした。力んで走っていたので、息がもちませんでした。展開の助けが必要だと思います」と話すなど、今日のところは流れや展開がまったく向かなかったことも災いしたのだろう。
ピーヒュレク騎手の契約馬主は、かつてイクイノックスやアーモンドアイも所属していたシルクレーシング。初日から実力馬エピファニーを依頼したことからも、同騎手に対する期待の高さが窺える。これからも有力馬への騎乗が多く予想されるだけに、7日以降の巻き返しに期待したい。