【愛知杯(G3)展望】上がり馬ミッキーゴージャスが川田将雅と重賞初制覇へ!若手“有望株”佐々木大輔&西村淳也にも要注目
13日、小倉競馬場では第61回愛知杯(G3)が行われる。今年は阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事に伴う日程変更のため、舞台を中京から小倉へ移しての開催となる。
中心は、新春の小倉で重賞初制覇を狙うミッキーゴージャス(牝4歳、栗東・安田隆行厩舎)か。
通算6戦4勝の成績を残し、負けたのは2戦2勝で臨み14着だったオークス(G1)と、勝ち馬と0秒1差の5着だった西海賞(2勝クラス)だけというミッキーゴージャス。昨年秋に夕月特別(2勝クラス)と修学院S(3勝クラス)を連勝し、オークス以来2度目の重賞舞台へと戻ってきた。
ミッキーゴージャスを2連勝に導いたのは、リーディング奪還を狙う川田将雅騎手だ。夕月特別後は「調教ほどの動きが競馬ではできていないので、ケアしながらの競馬でした。これで成長が伴えばと思います」と、レースぶりにやや不満のコメントを残していた。
しかし、2度目の騎乗となった修学院S後に「前走よりも具合の良さを返し馬で感じていました。競馬の内容も良かったです。無事に成長していってくれればと思います」と、確かな成長を感じ取った様子だった。
今回は昇級初戦で、ハンデにも恵まれるはず。2015年の二冠牝馬ミッキークイーンを母に持つ良血馬が3連勝での重賞制覇を見据える。
日本人ジョッキーNo.1の座に就いて久しい川田騎手に挑戦状をたたきつけるのは、今年さらなる飛躍が期待される若手の有望株と呼ばれる2人の騎手だ。
1人目はエリカヴィータ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)とのコンビで参戦予定の3年目・佐々木大輔騎手。1年目は今村聖奈騎手や角田大河騎手の陰に隠れていたが、2年目に頭角を現し、1年目の9勝から68勝に勝ち鞍を大きく伸ばした。
夏の函館と秋の福島で開催リーディングを獲得するなど、いま最も勢いがある注目若手騎手の1人である。
初コンビを組むエリカヴィータは、2年前のフローラS(G2)を制した重賞ウイナー。その後は8戦連続で馬券圏外と苦戦中だが、前走のディセンバーS(L)で0秒3差の4着と復活の兆しを見せた。牝馬限定戦なら勝ち負けを演じる可能性は十分あるだろう。
もう一人の若手の有望株は、7年目を迎えた西村淳也騎手だ。昨年は重賞4勝を含む76勝をマークして自己ベストを更新。初の全国リーディングトップ10入りも果たした。
そんな西村淳騎手が2度目の手綱を取るのがセントカメリア(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)だ。
3歳時にはローズS(G2)で3番人気に支持された素質馬だが、昨年は3勝クラスで低迷。同クラスでは、4戦連続馬券圏外に沈んでいたが、前走のサンタクロースS(3勝クラス)を豪快に差し切って念願のオープン入りを果たした。
前走がフロックでなかったことを証明するためにも今回は試金石。血統的には、兄のアドマイヤラクティ(父ハーツクライ)が5歳時にダイヤモンドS(G3)を勝ち、6歳秋にオーストラリアのコーフィールドC(G1)を制しているように晩成タイプだ。
同じく兄のアドマイヤジャスタ(父ジャスタウェイ)も4歳時の函館記念(G3)を15番人気で制している。父ドゥラメンテの本馬も遅咲きの血をここで開花させることができるか。
昨夏のクイーンS(G3)でドゥーラの2着に好走したウインピクシス(牝5歳、美浦・上原博之厩舎)も侮れない。
関東馬だが、ちょうど1年前に小倉で行われた壇之浦S(3勝クラス)を逃げ切るなど、これまでコーナー4回のコースで4角を2番手以内で迎えた時は「4-1-0-1」と好成績。今回も展開次第では粘り込んでもおかしくない。
コスタボニータ(牝5歳、栗東・杉山佳明厩舎)は、昨年の阪神牝馬S(G2)とクイーンSでともに3着と重賞でも上位争いを演じている。1800mまでしか距離経験はないが、折り合いに不安がない馬だけに、この距離延長がプラスに働く可能性もあるだろう。
この他には、昨夏の中京記念(G3)で3着のルージュスティリア(牝5歳、栗東・藤原英昭厩舎)、キャリア30戦のうち11戦を小倉で走っているエニシノウタ(牝6歳、栗東・笹田和秀厩舎)、ダービー馬ワグネリアンの全妹ミスフィガロ(牝6歳、栗東・友道康夫厩舎)なども虎視眈々。特にエニシノウタとミスフィガロは3勝クラスからの格上挑戦で、軽ハンデを味方に一発を狙えそうだ。
良血馬のミッキーゴージャスが2連勝の勢いに乗って重賞初制覇を飾るのか。それを止める馬が現れるのか。牝馬限定のハンデ重賞、愛知杯は13日、15時25分に発走予定となっている。