「新しい経験ができた」川田将雅も認める好内容で無敗のクラシック候補が出現!「神騎乗」で日本ダービーを制した父の走りを彷彿

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 7日、京都6Rに行われた3歳1勝クラスは、アドマイヤテラ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)と川田将雅騎手のコンビが1番人気に応えて優勝した。

 芝2000mで争われた9頭立ての一戦。アドマイヤテラは川田騎手が「ゲートを出る気がなく、あの位置からになりました」と振り返った通り、前半は行き脚がつかず後方2番手からレースを進めることとなる。

 ただ、「流れをみて、馬の気持ちに任せて動いていった」と同騎手が続けたように、向正面で外から一気に進出を開始。ちなみに前半1000m通過は62秒8のスロー。ハナまで奪いそうなほどの勢いだったが、2番手で抑えると逃げ馬の直後でじっくりと構える。

 最後の直線に入りゴーサインが出ると再加速し、逃げ馬を交わし去ってそのままゴール。まさに二段階スパートのような格好で、最後は2着馬に2馬身半差をつけての完勝劇だった。

「後方追走からバックストレッチで一気に2番手まで上がり、直線で再び脚を伸ばすなど、キャリア2戦目の若駒とは思えないような器用なレースぶりでした。これは相当なセンスがなければ決してできない芸当だったと思います。

ちなみにアドマイヤテラですが、実は昨年12月17日の追い切りで厩舎の先輩でありダービー馬のドウデュースと併せ馬を行い、併入に持ち込む動きをみせていたことから、一部ファンの間では密かに注目を集めていた1頭なんですよ。

その後、ご存知の通りドウデュースは有馬記念(G1)を優勝。アドマイヤテラも同世代の1勝クラスでは力が上でしたね」(競馬誌ライター)

 これでデビューから無傷の2戦2勝となり、今春のクラシック候補に浮上したアドマイヤテラ。母は2017年のクイーンC(G3)勝ち馬でオークス(G1)3着のアドマイヤミヤビであり、父は同じく2017年のダービー馬レイデオロだ。

日本ダービーを制した父のレースぶりを彷彿

レイデオロ

 主戦のC.ルメール騎手とともに同年の日本ダービー(G1)を制したレイデオロだが、レースではスタートしてしばらく後方集団を追走。ただペースが流れていないとみるや、ルメール騎手が向正面でまくるように2番手までポジションを押し上げる。

 そのまま最後の直線を迎えて抜け出したレイデオロは、後続を寄せ付けず押し切って優勝。ちなみにこのレースは前半1000m通過が63秒2の超スローだっただけに、ルメール騎手のバックストレッチでのスパートは、今でも「神騎乗」としてファンの間で語り草となっている。

 そんな父と同じように向正面で後方から一気に2番手まで上がっていき、直線押し切って優勝したアドマイヤテラの今回のレースぶりは、まさにレイデオロのダービーでの走りを彷彿とさせるような競馬でもあった。

「最後もしっかり走りました。また新しい経験ができたと思います」

 レース後、アドマイヤテラに騎乗した川田騎手はそうコメントを残すなど、先につながる好内容の一戦にすることができたようだ。年明けとともに現れた無敗のクラシック候補の次戦に注目したい。

GJ 編集部

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