今村聖奈&角田大河が合計「48戦0勝」のスロースタート…何かと話題「3年目騎手」で“G1制覇”に最も近いのはアノ2世ジョッキー!?

 6日に始まった2024年の中央競馬は2週(開催5日間)を終えて、早くも3週目に突入する。続々と今年の初勝利を挙げる騎手がいる中、ややスロースタートとなったのが2022年春にデビューした3年目の騎手たちだ。

 今村聖奈騎手や角田大河騎手などJRA競馬学校を22年に卒業したいわゆる“38期生”は総勢9人の大所帯。今村騎手が1年目に重賞初騎乗で勝利を挙げるなど、話題には事欠かない世代である。

 昨年は佐々木大輔騎手が大きく飛躍。1年目の9勝から68勝へ、数字を一気に伸ばし、出世争いでも頭一つ抜け出した形だ。

 そんな38期生だが、今年に入ってからは9人で計4勝とやや苦しいスタート。2勝を挙げているのは西塚洸二騎手だけで、佐々木騎手と川端海翼騎手が1勝ずつ。他の6人に至ってはまだ初日が出ておらず、今村騎手が14戦0勝、角田河騎手は34戦0勝という状況である。

 その一方、9人と同期にあたる“10人目”の騎手が注目を集めている。それがJRA重賞34勝を誇る小牧太騎手を父に持つ小牧加矢太騎手だ。

“G1制覇”に最も近いのはアノ2世ジョッキー!?

 小牧加騎手といえば、競馬学校を経ずにJRAデビューを果たした異色の存在。以前は全日本障害馬術大会で優勝するなど、アマチュア障害界の頂点に立っていた人物で、鳴り物入りで障害専門騎手としてキャリアをスタートさせた。

 ただ、当然ではあるが、小牧加騎手が騎乗できるのは障害レースに限られるため、基本的には1日1鞍。そのため“同期”に比べても必然的に勝利数はそれほど多くない。ただ、通算勝率に目を向けると、小牧加騎手は11.7%をマークしており、これは22年デビュー組の中では断トツの数字である。

「平地と障害では一緒くたに比較できない面もありますが、2位の佐々木騎手は6.95%、3位の今村騎手は6.87%。通算勝利数(22勝)は西塚騎手に次ぐ5位ですが、勝利を挙げるペースという点では他の9人を圧倒しています。

また、障害は平地に比べてレース数こそ少ないものの、乗り手不足が深刻。小牧加騎手にとってはよりチャンスを得やすい環境ともいえるでしょう。デビュー当初からその技術には定評があり、平地ではなく障害ではありますが、22年にデビューした10人の騎手の中では最もG1制覇に近い存在と言えるかもしれません」(競馬誌ライター)

 小牧加騎手は先週末の小倉で今年初勝利を飾ったが、そのパートナーは22年中京記念(G3)を制したベレヌス。昨年秋の障害初戦こそ同コンビで3着に敗れたが、2戦目で先手を奪うと5馬身差の圧勝劇を見せており、今後の飛躍にも期待できそうな逸材だ。

 とはいえ、小牧加騎手もデビューから一貫して順風満帆だったわけではない。デビュー3戦目と4戦目で連続落馬を経験。1年目の秋にはJRAが減量騎手のルールを改正したため、昨年9月に21勝目を挙げた時点ですでに減量特典は消滅している。

「実は減量特典がなくなって以降はなかなか勝つことができず、ベレヌスで制した先週末のレースが3か月半ぶりの勝利でした。これを機に巻き返しを図ってもらいたいですね」(同)

 昨年は2年目にして障害リーディング2位を確保し、これまで障害重賞には15回騎乗して2着1回、3着2回と重賞制覇も見えている。過去2年の中山大障害(G1)にも騎乗しており、順調にいけば同期で最初のG1ジョッキーとなることも夢ではないだろう。

GJ 編集部

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