「ソールオリエンスの再来」評価も過信禁物?クラシック見据えたトライアル予定も…横山武史ルカランフィーストは本物なのか

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 21日に行われた中山・芝1800mの若竹賞(1勝クラス)。ルカランフィースト(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)の勝ちっぷりに度肝を抜かれたファンも多かったのではないだろうか。

 11頭立ての不良馬場で争われた一戦。ルカランフィーストと横山武史騎手のコンビは勝負どころの4コーナーでも最後方、しかも大外を回さざるを得なかった厳しい位置取りだった。

 しかし最後の直線に入ると豪脚を披露し、前にいる10頭をゴボウ抜きしてしまったのである。

 横山武騎手に社台レースホースの勝負服、大外一気の勝ち方が昨年の皐月賞(G1)を制したソールオリエンスと酷似していたことから、レース後にはSNSやネット掲示板に「ソールオリエンスの再来」といった声も上がっていた。

 ルカランフィーストはこれでデビュー3戦2勝。騎乗した横山武騎手は「外へ出してからは驚くほど凄い伸びでした。今後の馬の成長が楽しみだと思います」と、直線で見せた脚と今後の可能性を高く評価している。

ソールオリエンス 撮影:Ruriko.I

 本番の皐月賞は1ハロン長い2000mで開催されるが、同じ中山コースで強い勝ち方をしたことの意味は大きい。クラシック出走を見据える陣営は、次走でトライアルレースに挑むことが濃厚とのこと。今回の勝利を機に“第二のソールオリエンス”として引き続き注目を集めることは間違いないだろう。

 ただ、インパクトの強い勝ち方で実力よりも人気が先行するようであれば、次走で疑ってみるのもありかもしれない。

“第二のソールオリエンス”に過信は禁物か

 なぜならレース展開がルカランフィーストにハマった可能性が高いともいえそうだからだ。

 今回の若竹賞はアフィリオンとC.ルメール騎手が逃げの手に出る展開。ただ同馬は1番人気ということもありマークが厳しくなったか9着に沈み、向正面で後方2、3番手にいた本馬とトロピカルティーが馬券圏内に入る決着となった。

 この日の中山・芝コースは雨の影響もあってか、最後の直線で外を通った馬の好走が目立っていた上に、1000m通過のラップも61秒1と先行勢に厳しい流れ。前半3Fが36秒0に対してラスト3Fが37秒8だったことから分かるように、ゴール前で脚の止まった馬が多数いた。それだけに、見方によっては先行して2着に粘り込んだアレグロブリランテも評価できそうだ。

 とはいえ、同馬は前走の萩S(L)でシンガリに敗れていた相手。これを破ったルカランフィースト自身も、前走の京都2歳S(G3)で14頭立ての13着という大敗を喫していた馬である。

 前走の着順のみを注目した場合、ブービーとシンガリの馬がワンツーフィニッシュを決めた訳であり、若竹賞のメンバーレベルに疑問符が付いてもやむを得ないかもしれない。

「横山武騎手とのコンビで快勝を決めたルカランフィーストですが、同騎手にはクラシックのお手馬に新馬戦からコンビを組み続けているアーバンシックもいるんですよね。今後は鞍上問題も含めて注目したい2頭です」(競馬誌ライター)

 ややネガティブな要素を挙げてしまったが、もちろんルカランフィーストが“本物”の可能性は大いにある。展開に恵まれただけの勝利か、それともG1級のポテンシャルを秘めた逸材なのか……。次走は牡馬クラシックに向けて真価が問われる一戦になりそうだが、再び豪脚を披露してくれるだろうか。

GJ 編集部

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