関東圏ラストの新馬戦で「芦毛の怪物」の末裔がデビュー!「令和の時代に見られるとは感慨深い」上積み必至で今後も要注目?
18日に行われたフェブラリーS(G1)は11番人気の伏兵ペプチドナイルが優勝し、2着に5番人気ガイアフォース、3着に13番人気セキフウが入る波乱の幕切れ。2桁人気馬の1着は2014年コパノリッキー以来となった。
また今年最初のG1レース開催日とのこともあり、大いに盛り上がりを見せた東京競馬場では、3Rに2021年生まれの競走馬による関東圏で最後の新馬戦も行われた。
ダート1400m、フルゲート16頭で行われたこの1戦は、B.ムルザバエフ騎手騎乗のビッグフラワー(牡3歳、美浦・加藤征弘厩舎)が単勝1番人気の支持に応え優勝。同騎手はレース後コメントで「キックバックも最初は嫌がっていたけどすぐに受け入れてくれた。距離も1600mくらいまでなら持つと思います。いい馬です」と高評価を与えた。
一方、このレースではある1頭の競走馬もSNSやネット掲示板で一部ファンから注目を集めていた。それがアイリュール(牝3歳、美浦・田中剛厩舎)だ。
「芦毛の怪物」の末裔がデビュー!
コパノリッキー産駒の同馬は母ミンナノアイドル、母父がオグリキャップ。現在の中央競馬で唯一、馬柱で「オグリキャップ」の名を見ることができる希少な血統だ。
母ミンナノアイドルは現役時代「芦毛の怪物」と呼ばれたオグリキャップの最後の産駒である。アイリュールは半兄のストリートキャップ以来、母の産駒として7年半ぶりの中央勝利が期待されていた。
なおミンナノアイドルは2019年にキタサンブラックとの間に仔馬をもうけるはずだったが、残念ながら死産という形でこの世に生を受けることはなかった。そのような悲しい出来事も乗り越えてアイリュールは生まれてきた。
8番人気でレースを迎えたアイリュールは、中団で競馬を進めたが、1着馬ビッグフラワーから1.1秒差の8着でゴール。デビュー勝ちこそ飾れなかったものの、「令和の時代に母父オグリキャップが見られるとは感慨深い」「これからも応援し続けます」といった声もファンからは聞かれた。
また、騎乗した柴田大知騎手は以前『競馬ラボ』で連載しているコラム『柴田大知の進化論』の中で「背中が良くて走ってきそうな馬」と将来性を評価。生産者の佐藤牧場もXで「そこまで悲観する内容でもなかったと思います」「これからの成長と頑張りに期待したいと思います」と発信しており、ここを使われての上積みが期待できそうだ。
今回のレース結果は残念だったが、無事にデビュー戦を終えたアイリュールは、オグリキャップの血を引き継ぐ馬として、次走以降も注目の存在になるだろう。