「史上最高配当演出」武豊が大爆発した先週末…ウィルソンテソーロは乗り替わりに賛否両論、レベル疑問の決戦で「勝負気配」匂わせていたレジェンド

 先週末に行われたフェブラリーS(G1)は、11番人気の大穴ペプチドナイルによる初重賞勝ちがG1という快挙で幕を閉じた。

 今年最初のG1ということもあり、いつも以上に気合を入れて予想をしたファンも多かっただろうが、3連単の払戻が153万馬券の大波乱。戦前からメンバーレベルが疑問視された今年は大混戦と評されていただけに、上位人気馬が総崩れする結果にも、どこかしら「やっぱり……」という感は否めない。

C.ルメールもB.ムルザバエフもそろって轟沈したフェブラリーS

「1番人気で惨敗したオメガギネスも賞金上位馬の回避でなんとか滑り込んだ馬。C.ルメール騎手が騎乗するというだけで過剰人気してしまった印象です。本馬を管理する大和田成厩舎も2番人気で8着に敗れたウィルソンテソーロの小手川準厩舎も実は重賞未勝利。冷静に振り返れば厩舎力も無関係ではなかった気がします。

勝ち方を知っている名門に比して経験値の差があることは事実。ウィルソンテソーロについては、直前で原優介騎手から松山弘平騎手への乗り替わりを発表。若手とはいえ、G1で好相性を見せていた功労者を降ろし、追い切りにも騎乗していなかった松山騎手は本当のテン乗りでした。惨敗を目にしたファンが原騎手に乗って欲しかったと嘆いたのも仕方がなかったでしょう」(競馬記者)

 また、3番人気に支持されたドゥラエレーデにしても、B.ムルザバエフ騎手が土曜京都のメイン、京都牝馬S(G3)で16番人気コムストックロードを好騎乗で3着に持ってきた後のタイミング。乗れる外国人騎手としてファンの信頼を得た一方で、ドゥラエレーデの最終追い切りは栗東の坂路で4F49秒1の猛時計をマークしていた。

 メディアはスピード感十分で好調と報じたが、ラストで脚が止まっていたことを思えば、万全な追い切りだったとは言い難い。レースでもテンから飛ばして直線でズルズルと後退してしまったように、追い切りの再現VTRを見ているようだった。

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 そんな中、キラリと光る好騎乗を連発していたのが武豊騎手である。前日の京都牝馬Sで2番人気ソーダズリングに騎乗し、華麗な手綱捌きで1番人気のナムラクレアの撃破に成功。自身が陣営に距離短縮を進言した通り、一発回答で最高の結果に導いた。

 そして、天才の手腕を証明してみせたのが翌日のフェブラリーS。13番人気のセキフウを3着に食い込ませたのは、さすがの一言。レース史上最高配当となる153万馬券の演出にも貢献した。タガノビューティーとの際どい3着争いを制したが、馬券で明暗の分かれたハナ差は石橋脩騎手と武豊騎手の差といえるのかもしれない。

 その一方、先週末のレジェンドが密かに勝負気配を匂わせていたことも確か。

 14日に更新した自身の公式ホームページにて、京都牝馬Sは「乗り慣れたソーダズリングは京都の1400mがベスト」「強敵がひしめくこのメンバーでも好勝負できると踏んでいます」、フェブラリーSは「人気はなさそうですが、ひと目は混戦模様。小さなチャンスをモノにした人馬に幸せが舞い込みそうです」と綴っていた。読む人によって受け取り方は異なる可能性があるとしても、セキフウに対する評価の高さも伝わる内容だ。

 54歳を迎えてもレジェンドの手綱捌きは、まだまだ衰え知らず。ソーヴァリアントと参戦する今週末の中山記念(G2)でも勝ち負けに期待出来るだろう。

 ちなみに21日に更新された日記によると、京都牝馬Sで38年連続のJRA重賞勝利を飾ったことに触れつつ、ここまで全て複数の重賞勝利なので、2勝目を勝った際にも「38年連続」を強調させてもらえたらと振り返っていた武豊騎手。「いい流れを続けられるように、今週も頑張ります」とやる気モードだ。

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