【高松宮記念】ナムラクレア「理想はやはり良馬場」ルガル「馬場が渋っても問題ない」ママコチャ「巻き返しもありえます」ビクターザウィナー「物怖じしない性格」ウインマーベル「スタートさえ決まれば」G1直前東西マル秘情報!
24日、中京競馬場で行われる高松宮記念(G1)。春のスプリント王を決める大一番を前に編集部に各陣営の情報が手に入った。今回はその一部を紹介しよう。
昨年の高松宮記念で2着に入ったナムラクレア(牝5歳、栗東・長谷川浩大厩舎)は、今年こそ優勝を手にしたい。
高松宮記念後に向かったヴィクトリアマイル(G1)では、距離の壁にも跳ね返されてしまい8着。だが、キーンランドC(G3)を快勝すると、スプリンターズS(G1)3着、京都牝馬S(G3)2着と、短い距離では抜群の安定感を見せている。
「前走は2着でしたが、あくまで本番の前哨戦。万全の仕上げではなかったものの、ここに見据えてという形としてはいい内容だったと思います。
今回も手綱を握る浜中俊騎手は、『厩舎サイドと相談して色々と工夫しています。以前より落ち着きも出てきました。昨年は道悪で2着と頑張ってくれましたが、理想はやはり良馬場です。今年こそは何とかしたいです』と期待していましたよ」(栗東関係者・A)
浜中騎手は良馬場を望むも今週末の中京競馬場は曇天模様。良馬場での開催は難しいと思われるが、果たして……。
ルガル(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)はG1初挑戦、優勝を狙える逸材だ。
ダートで4戦した後に芝へ転向。2戦目の橘S(L)を勝つと、その後は重賞クラスで掲示板に載る好走を続けた。そして前走のシルクロードS(G3)で見事に重賞初制覇。57.5キロの斤量をものともせず、2番手追走から抜け出すと、2着のアグリに3馬身差をつけている。
「ルガルはこれまでゲートで後手を踏むことが多かった。ですが、前走は西村淳也騎手と完璧なスタートを切れましたね。レース運びにも余裕があったので、追ってからも弾けてくれました。
中間も非常にいい雰囲気で過ごしたようで、スタッフもいい感触を得ているようです。雨予報ですが、馬場が渋っても問題ないタイプなので、何とかG1のタイトルを取ってほしいですね」(栗東関係者・B)
ゲート難を克服したルガルに死角はない!?
C.ルメール騎手を背に大一番に向かうトウシンマカオ(牡5歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)。
前走のオーシャンS(G3)も1番人気に応えて重賞3勝目を挙げた。昨年の高松宮記念は5番人気に支持されながら15着と大敗しているため、今年こそリベンジを果たしたい。
「前走は480kgとこの馬にしては、少し太目残りでした。そんな中でもいい競馬をしていたと思います。ただ高柳瑞師は『体も少しずつしっかりしてきましたし、極端な道悪でなければ克服してくれるはず』と天候を気にしていましたよ」(美浦関係者・A)
今年も苦戦は免れそうにない!?
昨年のスプリンターズS覇者ママコチャ(牝5歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、G1・2勝目を狙う。
スプリターズSでは早めに進出を開始し、最後の直線で先頭へ。マッドクールとの叩き合いを制し、ハナ差で勝利した。だが前走の阪神C(G2)では1番人気ながら5着。直線で伸びを欠き、実力を発揮できなかった。
「阪神Cは状態面がもうひとつでしたね。気持ちと体をスプリント仕様で作られて来ていたので、道中のリズムも良くなかったですね。
レース後は高松宮記念を目標に放牧で立て直しをはかりました。上手くいったようで、いい頃の体つき、動きに戻っていますよ。左回りも問題ないので、巻き返しもありえますよ」(栗東関係者・C)
スプリント戦線の主役は譲らない?
スプリターズSではハナ差で優勝を逃したマッドクール(牡5歳、栗東・池添学厩舎)。
スプリンターズS後は、香港スプリント(G1)へ挑戦。名手C.デムーロ騎手が騎乗し、2番人気に支持されたものの8着。期待を裏切る結果に終わっていた。
「前走は初めての海外遠征で体が減ってしまいましたね。馬場も合わなかったようです。
その後は立て直しを図り、池添師も『スプリンターズSと遜色のない仕上がりにあります。パワータイプなので渋った馬場も良さそうです』と自信をのぞかせていました」(栗東関係者・B)
実績のある中京で悲願のG1制覇なるか。
香港からの刺客・ビクターザウィナー(セ6歳、香港・C.シャム厩舎)も侮ると怖い存在だ。
前走・香港のセンテナリースプリントC(G1)でG1初勝利。充実期に入っており、2015年エアロヴェロシティ以来の優勝も視野に入る。
「香港トップレベルの存在。物怖じしない性格で環境の変化にも対応できる馬と聞いてます。ただ、これまでのレースを見ると逃げてその実力が発揮できるタイプのようです。同型や先行馬が揃っているだけに、自分が得意とする展開にできるかが鍵ですね」(競馬関係者)
香港馬による9年ぶりVはあるか?
2連勝中のウインマーベル(牡5歳、美浦・深山雅史厩舎)は勢いそのまま、G1初制覇を狙う。
パッとしない成績が続いていたが、昨年暮れの阪神Cでは、7着まで0秒2差の激戦を制して重賞2勝目をゲット。前走の阪急杯(G3)では重馬場を苦にしないパワフルな走りを見せて2連勝を飾った。
「以前は頭の高い走りをしていたのですが、それが矯正されていい動きができるようになっています。以前はゲートを苦手にしていたようですが、最近は安定して取り口もいいです。深山師も『心身ともに成長を感じます。スタートさえ決まれば1200mでも問題ありません』と目を細めていましたよ」(美浦関係者・B)
昨年の高松宮記念は10着に終わったが、今年は上位進出も!?
ビッグシーザー(牡4歳、栗東・西園正都厩舎)はここに来て馬体に芯が入ってきたようだ。
昨年の夏以降、古馬の壁に跳ね返され、思うように結果が残せないでいた。だが、今年の淀短距離S(L)を快勝すると、オーシャンSも2着と好走。本格化の兆しを見せている。
「前走は道中で他馬と接触するところもありましたが、気持ちを切らすことなく走っていましたね。またこれまでとは違い、中団で控える競馬を見せて結果を出したことで、スタッフも『中身の濃い内容でした』と満足げでしたよ。年明け3走目でも状態は大きくは変わることなく、高いレベルで状態は安定しているようです」(栗東関係者・D)
中京は2戦2勝と好相性。相手は強くなるが、チャンスはある!?
音無秀孝厩舎が管理するソーダズリング(牝4歳、栗東)。この厩舎は坂路主体の調教で知られ、ミッキーアイルやモズスーパーフレア、ピクシーナイトなど短距離での活躍馬が多く輩出している。同馬にも偉大なる先輩たちに並ぶスプリント巧者となることが期待されているようだ。
「前走の京都牝馬Sで重賞初制覇。このレース後に武豊騎手からの進言があり、高松宮記念に出走することになったようです。
馬体を見ても短距離馬っぽい筋肉の付き方になってきましたね。スピード負けする感じもないです。スプリント路線でさらにいい面が出ないかと期待しています」(栗東関係者・E)
距離短縮で真価を発揮するか。
現役屈指のアイドルホース・メイケイエール(牝6歳、栗東・武英智厩舎)はここがラストランとなる。
「京都牝馬Sは発馬でロスがありました。道中も折り合いを欠いていて、最後は余力がなかったようです。以前から気性難が指摘されていますが、やはり難しいですね。
能力的にはこのメンバーに入っても上位だと思いますけども、スタッフも『なかなか噛み合わない』と、最後まで気性面がネックになることを懸念していました」(栗東関係者・F)
いかにリズム良く運べるかが鍵になるだろう。
ここがラストランとなるため、悔いのない仕上げをしたとスタッフが語るのはロータスランド(牝7歳、栗東・辻野泰之厩舎)だ。
「最近は外枠ばかりで難しい競馬になっています。そんな中でも差のない競馬をしてくれています。年齢による衰えはないようです。
今回も騎乗する岩田康誠騎手は何度も乗っているので癖を掴んでいるようです。道悪でも問題ないので、道中をロスなく立ち回れれば五分に戦えると思います。あとは枠ですね」(栗東関係者・G)
気になる枠は6枠12番。近走よりは内枠に入ったが……?
春のG1戦線の幕開けとなる高松宮記念。今年2度目のJRA・G1勝ち馬となるのはどの馬だろうか? 発走は15時40分を予定している。