「必ず戻ってくる」世界最高峰の舞台「目前」で涙を呑んだ経験から約1年…「約束の地へ」坂井瑠星がドバイで残す最高の結果

坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

世界最高峰の舞台を目前に出走取消…

「いつか必ず戻ってきます」

 昨年5月、自身のインスタグラムにそう誓いの言葉を残したのは、北米最高峰レースのケンタッキーダービー(G1)にコンティノアールとのコンビで挑む予定だった坂井瑠星騎手である。

 UAEダービー(G2)3着をステップに同レースへと駒を進めた同馬。引き続き手綱を取るはずだった坂井騎手はオーストラリアで武者修行を行うなど、海外での騎乗経験も豊富。ただアメリカで騎乗したことはなかったため、初騎乗が北米最大の注目レースになるかと意気込んでいたようだ。

 しかし、そんな若武者に悲痛な報せが届く。コンティノアールは最終調整中に歩様が乱れ、無念の出走取消が発表されたのだ。

無念の出走取消も…坂井瑠星騎手にアドバイスを送った武豊騎手

 現地まで駆け付けたものの残念ながら、米国デビューは見送りとなってしまった坂井騎手。ただ、それで下を向いたわけではない。『NumberWeb』の取材によれば武豊騎手から『あの場所の最高の雰囲気は味わうだけでも価値がある』とアドバイスをもらったそうで、レースには参加できなかったものの「素晴らしい経験をさせていただきました」ともつづった。

 さらに同取材の中では「チャーチルダウンズ競馬場には、必ず戻ってくるからなと誓って帰ってきました」とリベンジに向けて前を向いている。

 それからわずか1年足らず。これほど早くリベンジの機会がやってきたことは、本人も想像していなかったかもしれない。

「約束の地へ」坂井瑠星がドバイで残す最高の結果

 30日、ドバイのUAEダービーに出走を予定しているフォーエバーヤング(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)。坂井騎手とのコンビでデビュー4連勝中、前走サウジダービー(G3)を制しここでも最有力馬の1頭だが、陣営にとってこのレースはあくまで通過点。最大目標は昨年、コンティノアールが無念の取消となったケンタッキーダービーだ。

 サウジダービーはケンタッキーダービーのポイント対象レースではなかったため、管理する矢作調教師も「UAEダービーでいいレースをしてケンタッキーダービーに行きたい」と意気込みを語る。選出されるために結果が求められる今回だが、5連勝を決めて米国に乗り込むのが最大の理想だろう。

「去年、僕自身行けなかったケンタッキーに行けるようなレースをしていきたいと思います」

netkeibaネットケイバ公式』がYouTubeに投稿したインタビュー動画の中でも、今年のUAEダービーにかける意気込みをそう語った坂井騎手。24日の高松宮記念(G1)を制覇するなど、また一段成長した若武者が約束の地へ――。まずは今週末、ドバイで最高の結果を求めていく。

GJ 編集部

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