【ニュージーランドT(G2)展望】ボンドガール「桜花賞抽選漏れ」なら武豊と新コンビ!3歳マイル王へ向けた重要前哨戦にスピードスターが集結
NHKマイルC(G1)へ、3歳スピード自慢が集結
4月6日、土曜中山メインはニュージーランドT(G2)が行われる。上位3着までにNHKマイルC(G1)への優先出走権が与えられるレースで、昨年はここで3着に入ったシャンパンカラーが本番を制した。今年もG1を勝っておかしくない素材を持つ馬が出走を予定している。
ボンドガール(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、7日の桜花賞(G1)にも登録があるが、出走には3分の2の抽選突破が条件。もし抽選漏れとなれば、ニュージーランドTからNHKマイルCを目指すことになりそうだ。
昨年6月の2歳新馬ではチェルヴィニアを下しており、その能力の高さは疑いようがない。ただ、2戦目のサウジアラビアロイヤルC(G3)で川田将雅騎手に乗り替わって1.4倍の1番人気に支持されたものの、スタートで出負けすると後方からの競馬となって2着。最後は大外からゴンバデカーブースにあっという間に交わされると、2馬身差をつけられる完敗だった。
その後は阪神ジュベナイルF(G1)に出走を予定していたが、調教中に放馬のアクシデント。同レースを回避すると、賞金不足で除外も覚悟の上で桜花賞への直行が決まった。
抽選漏れとなれば武豊騎手との新コンビで臨むことになりそうだが、その運命やいかに。
もしボンドガールの桜花賞出走が叶えば、エコロブルーム(牡3歳、美浦・加藤征弘厩舎)が1番人気に押し出されるだろう。
半兄は2021年のきさらぎ賞(G3)覇者で、芝ダートを問わず中距離路線で活躍したラーゴム。父がオルフェーヴルからダイワメジャーに替わった本馬はマイル前後が主戦場だ。
昨秋の東京・芝1600mでデビューすると、初戦は3着に敗退したが、2戦目で4馬身差圧勝。その後は西下してシンザン記念(G3)へと向かった。
未勝利戦を勝ち上がったばかりだったが、C.ルメール騎手を背に1番人気に推されたエコロブルーム。レースでは好位4番手を進んだが、直線でノーブルロジャーの差し脚に屈して2着に敗れた。それでもウォーターリヒトの追い込みをしのいで賞金加算には成功している。
レース後はNHKマイルCへの直行プランもあったが、一度叩いて本番へ向かう予定。今回は横山武史騎手との初コンビが実現した。
ルージュスエルテ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)も桜花賞に登録があるが除外が濃厚。引き続き横山和生騎手とのコンビで初の中山マイル戦に登場予定だ。
昨年6月のデビュー戦は単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持されるも、人気に応えられず7着に敗戦。その後は距離を1800mから1400mに短縮したのが功を奏し、未勝利→1勝クラスと連勝してオープン入りを果たした。
ともにハナを切って上がり最速タイでまとめる強い内容で、続くクイーンC(G3)でも上位人気の一角を担った。ところが、スピードの違いでハナ争いに加わるとみられていたものの、スタートで他馬に寄られて最後方からの競馬。無理をせず、後方待機策を採ると、勝ち馬のクイーンズウォークに次ぐ上がり3ハロン33秒5の末脚を繰り出して3着まで追い上げた。
まだ気性に課題は残るものの、前走で逃げ一辺倒ではないところを証明。マイルもこなせたことは大きな収穫といえるだろう。
そのルージュスエルテとハナ争いを演じる可能性が高いのがキャプテンシー(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)だ。
デビューから3戦連続2着と勝ち上がりに時間を要したが、4戦目でハナを切って初勝利。すると、続くジュニアC(L)も逃げ切って、新境地を開拓した。
新コンビを組むのはM.デムーロ騎手。30日のダービー卿チャレンジT(G3)では、絶妙な逃げを打ってエエヤンを2着に導いたが、同じ中山マイルコースでその再現に期待だ。
オーサムストローク(牡3歳、美浦・伊藤圭三厩舎)も先行力が持ち味の1頭。
昨秋の2歳未勝利は、今回と同じ舞台で5馬身差圧勝。続くベゴニア賞(2歳1勝クラス)は2番手から楽に抜け出す理想的なレース運びで連勝を飾っている。2戦2勝の関東圏でなら一発があってもおかしくないだろう。
この他には、マイル戦で2戦2勝の好成績を残しているスパークリシャール(牡3歳、美浦・小島茂之厩舎)、中山の芝マイル戦で2戦2勝のユキノロイヤル(牡3歳、美浦・小野次郎厩舎)、すでにキャリア10戦を誇り前走1勝クラスで芝初勝利を挙げたデビッドテソーロ(牡3歳、美浦・小手川準厩舎)などもNHKマイルCの出走権獲得に照準を定めている。
ボンドガールの出否次第でレース展開もガラッと変わる可能性がある今年のニュージーランドT。発走は15時45分を予定している。