坂井瑠星×フォーエバーヤング、ケンタッキーダービー(G1)へ超ド級の警戒警報!? 米国2歳王者「お目覚め」の13馬身圧勝劇で主役の座へ

坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

ドバイで日本馬唯一の勝利を飾ったフォーエバーヤング

 先週、ドバイのメイダン競馬場で行われたドバイワールドカップデーは日本馬22頭が出走し、改めて世界の強さを見せつけられる結果となった。だが、唯一の勝利を飾ったのが、UAEダービー(G2)でデビューからの連勝を5に延ばしたフォーエバーヤング(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 11頭立て、ダート1800mのレースで大外枠からの発走となったフォーエバーヤングは、スタートから坂井瑠星騎手が出していったものの、1コーナーから外々を回されるなど決して恵まれた展開ではなかった。

 だが、これくらいの不利なら簡単に跳ね返してしまうのが、本馬が非凡たる所以だろう。最後の直線で逃げたAuto Bahnとマッチレースになったものの、最後は2馬身振り切ってのゴール。3着Pandagateとは6馬身以上離れていたが、着差以上の凄みを感じる走りだった。

「万全の準備でケンタッキーダービー(G1)へ。ウチのチームならやってくれる」

 レース後、矢作調教師がそう気持ちを新たにした通り、この勝利で米ケンタッキーダービー挑戦を確実なものにしたフォーエバーヤング。これまで6着が最高と苦戦が続いている米クラシックの最高峰だが、全日本2歳優駿(G1)→サウジダービー(G3)→UAEダービー(G2)を3連勝した本馬は、すでに世界が注目する存在。日本史上最強のチャレンジャーと言っても、決して過言ではないだろう。

 だが、無敗の快進撃を続けるフォーエバーヤングでさえ、おそらくケンタッキーダービーで1番人気に推されることはなさそうだ。何故なら、今年の米クラシック戦線には確固たる主役が存在するからである。

 フォーエバーヤングが改めて世界にその強さを示したUAEダービーから約9時間後、米国のガルフストリームパーク競馬場では、ケンタッキーダービーの前哨戦となるフロリダダービー(G1)が行われた。

 昨年もここで2着したメイジがケンタッキーダービー馬に輝くなど、最重要ステップの1つ。今年の主役は2歳王者のフィアースネス(牡3歳、米・T.プレッチャー厩舎)であり、その前評判に違わぬ……いや、想像以上の圧勝で世界中の競馬ファンの度肝を抜いた。

米国2歳王者「お目覚め」の13馬身圧勝劇で主役の座へ

 9頭立て、ダート1800mのレースで果敢にハナを切ったフィアースネスは、隊列を引き連れる堂々とした走り。3コーナーで逃げ馬に追いすがるライバルたちのアクションが次第に大きくなる一方、1頭だけ馬なりの時点で勝負ありといった様子だった。

 その後は、まさにフィアースネスの“公開調教”といった様子だった。最後の直線を迎えて、鞍上のJ.ヴェラスケス騎手が軽く促すと、後続をグングン引き離していく。結局、最後までムチを使うことなく流し気味にゴール板を通過したが、2着キャタリティクには13馬身半という大差がついていた。

 昨年のブリーダーズCジュベナイル(G1)を6馬身1/4差で圧勝したフィアースネスだったが、今年の始動戦となったホーリーブルS(G3)で、まさかの3着。今回は試金石の一戦だったが、120点の回答でケンタッキーダービーを迎えることになりそうだ。

「まだ負けていないですし、堂々とチャンピオンとして向かえると思います」

 UAEダービー勝利後、5月のケンタッキーダービーにそう思いを馳せた坂井騎手。昨年はコンティノアールとのコンビで挑む予定だったが、直前で無念の出走取消。レースを現地観戦するなど、今年こその思いは一際強いはずだ。

 果たして、フォーエバーヤングは新たな歴史を創ることができるか。今年のケンタッキーダービーは例年以上の注目を集めそうだ。

GJ 編集部

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