岩田望来「まだまだ強くなる」急上昇のパートナーとG1前哨戦快勝! マスクトディーヴァ「降板」の苦い経験も…充実のラインナップでいざ本番へ
コスタボニータが初重賞制覇!
20日に行われた福島牝馬S(G3)は、岩田望来騎手が騎乗した1番人気コスタボニータ(牝5歳、栗東・杉山佳明厩舎)が優勝。キャリア17戦目で嬉しい初重賞勝利となった。
人馬は最内枠からスタートを切ると、道中4番手のインを追走。終始内ラチ沿いの経済コースを通り最後の直線に向き、一旦は前が塞がるシーンも見られたが、外に持ち出して脚を伸ばすと最後は2着馬をクビ差でとらえた。
「岩田望騎手は『今日の馬場傾向から内が有利だと思いました』と振り返っていましたが、1枠1番を活かした思い描いた通りのレースができたのではないでしょうか。直線で進路を切り替えるロスがあっただけに着差以上に強い内容。コスタボニータはこれまでも重賞で好レースをしていましたが、ここにきていよいよ急上昇してきた感じです」(競馬誌ライター)
テン乗りをものともせず勝利に導いた岩田望騎手はレース後、「レースセンスがとても良いし、一瞬の脚は素晴らしいものがある」「まだまだ強くなると思う」とパートナーを絶賛。2着フィールシンパシーに騎乗していた横山琉人騎手も「勝った馬が強かったです」と、勝者を褒め称えるしかなかった。
この勝利でコスタボニータは、来月12日に開催されるヴィクトリアマイル(G1)の優先出走権を獲得。管理する杉山佳師は「馬の状態を確認してからですが、行きたいですね」と、本番へ意欲を示している。
今回コスタボニータに騎乗した岩田望騎手は、この路線のお手馬に2連勝で中山牝馬S(G3)を制したコンクシェルもいる。どちらの馬とコンビを組むにせよ、強力なパートナーとともに本番に臨むこととなりそうだ。
ちなみに今年のヴィクトリアマイルは、ステップレースの阪神牝馬S(G2)を1番人気で完勝したマスクトディーヴァが最有力候補となる見通しだ。
同馬は引き続きJ.モレイラ騎手とのコンビで出走を予定しているが、元々は岩田望騎手のお手馬だった。
岩田望騎手は昨年6月からマスクトディーヴァとコンビを組み、2戦目のローズS(G2)では後にエリザベス女王杯(G1)を制するブレイディヴェーグを寄せ付けずレコード勝ち。秋華賞(G1)では惜しくもリバティアイランドの2着に敗れたが、上がり3ハロン最速で三冠牝馬に1馬身差まで迫っており、負けてなお強しといった印象を持ったファンも少なくなかったに違いない。
「結果を出して、いい景色を見たい」と語っていたが…
その後、マスクトディーヴァは休養を挟んで今年初戦に東京新聞杯(G3)を選択。岩田望騎手は『テレ東競馬チャンネル』の動画内で「結果を出して、いい景色を見たいと思います」と、ビッグタイトルを狙える同馬との今年初戦に対する期待を述べており、レースでは単勝1.9倍の圧倒的支持を集めた。
しかし、ご存知の通りスタートで大きく遅れてしまい万事休す……。最後の直線では盛り返しを見せたものの、6着が精一杯だった。
同騎手はレース後「僕の責任なので、また乗せてもらえるようならリベンジをしたいです」と、敗因が自身であることを認めて名誉挽回を誓ったが、その願いは届かずにコンビ解消。モレイラ騎手と新コンビを結成したマスクトディーヴァが阪神牝馬Sで東京新聞杯のうっぷんを晴らすような快勝を決めたのは先述の通りだ。
そんな苦い降板も経験した岩田望騎手だが、ヴィクトリアマイルに向けてマスクトディーヴァにも引けを取らないようなお手馬が揃いつつある。果たして、本番でかつてのパートナー撃破となるだろうか。