【天皇賞・春】「賛否」分かれる名馬のレース名と条件、芝のコパノリッキーやダートのロードカナロアに違和感ありあり…ライスシャワーもスプリンターだった?

撮影:Ruriko.I

 今年すでに5つのレースが開催されたJRAウルトラプレミアム。対象レースでは、すべての投票法の払戻率を80%に設定した上で、払戻金に売上げの5%相当額を上乗せして払戻しするというものだ。

 フェブラリーSの日に行われたコパノリッキーC(芝2000m)を皮切りに、高松宮記念の日はロードカナロアC(ダート1800m)、大阪杯の日はキタサンブラックC(芝1400m)、桜花賞の日はダイワスカーレットC(芝2000m)、皐月賞の日はドゥラメンテC(芝2500m)と続いている。

現役時代のイメージとかけ離れたレース条件に賛否

 ただ、名馬の名前を冠したレースではあるものの、それぞれが現役時代に走ったことのない条件も多い。G1開催日に花を添えたいという意図は分かるのだが、上述した中でイメージとしてピンと来るのは、大阪杯(阪神・芝2000m)を勝ったダイワスカーレットくらいかもしれない。レース名に使われた馬を思い出すという意味では、こういったメモリアル的なレースの存在は悪くないだろう。

 だが、どうせやるなら芝のG1馬は芝、ダートのG1馬はダートのように、各馬のイメージに近い条件で開催される方が望ましいという声もネットの掲示板やSNSなどで目にすることもある。

 ちなみに今週末の天皇賞・春ウィークの場合は、4歳上3勝クラスのライスシャワーCが予定されているが、こちらはなんと芝1200m条件。淀で菊の大輪を咲かせ、淀に散ったステイヤーだけに京都が舞台というのは共通点か。

 その一方、1992年の菊花賞(G1)でミホノブルボンの三冠を阻止したライスシャワーだが、実はこの両馬がイメージと大きくかけ離れたデビュー戦を勝利していたことは、あまり知られていないかもしれない。

デビュー当初のライスシャワーはスプリンターだった?

 というのも、結論から話せばライスシャワーは芝1200mのレースを使ったことがあるのだ。そもそもデビュー戦が当時まだ右回りだった新潟競馬場の芝1000mで、2戦目に使われたのがこちらも現在の1600m条件ではなく芝1200mの新潟3歳S(G3、現新潟2歳S)。このレースで3番人気に支持されたが11着に大敗し、その後は1600m→1800m→2000mと距離を延ばすとともにステイヤーとしての素質を開花させていくことになる。

 そして稀代の逃げ馬として名を馳せたライバル・ミホノブルボンの場合は、デビュー戦が中京の芝1000m。快速馬が短距離戦でデビューしたことに驚きはないものの、スタートで出遅れて後方から追い込む競馬で前を行く全馬を差し切って勝利した。逃げ馬ミホノブルボンが生涯唯一、後方から差し切って勝ったレースとなった。

 これからもNHKマイルCの日にキングカメハメハC、ヴィクトリアマイルの日にウオッカC、オークスの日にエアグルーヴC、日本ダービーの日にディープインパクトCと続いていき、年末のホープフルSの日にコントレイルCと全24レースが予定されているJRAウルトラプレミアム。開催条件こそ違えども各馬が制した代表的なG1の当日に行われるなら、細かいことには目をつむってもよさそうだ。

GJ 編集部

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