武豊×ディープインパクト凱旋門賞「壮行会」が大荒れ!? 単勝1.1倍勝利も、まさかのお宝馬券…急浮上した今年の宝塚記念「厳選馬2頭」
18年ぶりの京都開催で歴史は繰り返す?
23日に開催を控える春のグランプリ・宝塚記念(G1)だが、今年の大きなポイントは何と言っても18年ぶりに京都競馬場で開催されることだろう。
舞台は同じ芝・2200mだが、最後の直線の長さは例年の阪神内回りが約357mである事に対して、京都外回りは約403m。約50m差の影響の大きさは多くの競馬ファンが知るところであり、さらに今年の宝塚記念はゴール前の勝負どころで坂がない。手持ちの資料が役に立たないデータ派は、今頃頭を悩ませているはずだ。
ちなみに前回、京都で宝塚記念が行われたのは2006年。秋に日本を代表して凱旋門賞(仏G1)に挑む武豊騎手とディープインパクトの“壮行会”のようなレースだった。
レースはディープインパクトが4馬身差の圧勝。京都競馬場は、すでに社会現象となっていたスーパーホースの強さを目の当たりにしたファンの大歓声で溢れたが、その一方で三連単は単勝1.1倍の大本命が勝利したにもかかわらず4万3850円の“高配当”となった。
波乱の主役となったのは13頭中10番人気のナリタセンチュリー(2着)、そして9番人気のバランスオブゲーム(3着)だ。
前者ナリタセンチュリーは昨年の京都大賞典(G2)を勝利し、今年の京都記念(G2)も勝つなど現役でも屈指の京都巧者。京都開催を大きな味方につけた激走だった。また、後者バランスオブゲームは関東馬ということもあって京都実績こそマイルCS(G1)の4着がある程度だったが、通算重賞7勝の内6勝が非根幹距離(1200、1600、2000、2400mといった競馬の根幹距離の間)と、2200mは絶好の舞台だった。
今年の宝塚記念はどこか、この2006年に似ていなくはないだろうか。
京都開催、武豊が1番人気、凱旋門賞への壮行会、13頭立て…
単純に18年ぶりの京都開催も然ることながら、おそらく1番人気になるのはディープインパクトの主戦でもあった武豊騎手のドウデュースだろう。
昨年の有馬記念(G1)を勝った際、「来年もう1回行こう、フランス行こう」と興奮気味に語っていたように、武豊騎手はドウデュースとの凱旋門賞挑戦を熱望している。オーナーであるキーファーズとの関係を踏まえても、今年の宝塚記念が欧州挑戦の“壮行会”になる可能性は十分にあるはずだ。
また、JRAが公開した今年の宝塚記念の特別登録馬は13頭。奇しくも2006年も13頭立てだった。仮にドウデュースが第2のディープインパクトなら、第2のナリタセンチュリー、バランスオブゲームを見つけて好配当にありつけないだろうか。
第2のナリタセンチュリー、バランスオブゲームを探せ!
浮上するのはプラダリアだ。昨年の京都大賞典を制し、今年の京都記念も勝利という点はナリタセンチュリーと同じ。18年ぶりの京都開催を最も喜んでいるのは、この馬かもしれない。前年6着から、さらなる前進が見込めるはずだ。
残念ながら、今年の登録馬に第2のバランスオブゲームになり得る非根幹巧者は見当たらない。ならばアプローチを変えて、本馬が「逃げ粘っての3着」だったことに注目したい。先週京都で行われたマーメイドS(G3)でも、アリスヴェリテが大逃げを決めたばかりだ。
今年の登録馬に生粋の逃げ馬はいないが、実はバランスオブゲームも29戦のキャリアでハナに立ったのは3度しかなかった。ただし、ハナに立った3回は弥生賞(G2)1着、中山記念(G2)1着、そして宝塚記念の3着と抜群の成績。各馬の出方を見極めた陣営の緻密な作戦がなければ、この結果は出ないだろう。
その上で、第2のバランスオブゲームとして期待したいのがローシャムパークだ。
これまで逃げた経験はないが、前走の大阪杯では後方から早めの進出で2着に食い込んだように、流れに応じて動けるのが強み。生粋の逃げ馬が不在となる今回のメンバーなら、早めに動くことが大きなアドバンテージに繋がる可能性は高く、3~4コーナーに下り坂のある京都外回りは、まくりが決まりやすいコースだ。前走と同じ戸崎圭太騎手が騎乗することも頼もしい。
果たして、18年ぶりの京都開催で歴史は繰り返すのか。ドウデュース→プラダリア→ローシャムパークの三連単1点を熱く握りしめて応援したい。