【北九州記念(G3)】屈辱の「6戦連続二ケタ着順」からの復活劇!「気持ちが途切れなければいいですが…」どん底から這い上がった元3歳No.1スプリンターに光明

モズメイメイ 撮影:Ruriko.I

復活の兆しを示したモズメイメイ

 30日、小倉競馬場で行われた北九州記念(G3)は、3番人気のピューロマジック(牝3歳、栗東・安田翔伍厩舎)が勝利。今回が初の古馬相手だったが、自身、そして3歳世代のレベルの高さを見せつけた。

 18頭のフルゲートで行われた一戦は、昨年の覇者ジャスパークローネやテイエムスパーダといった快速馬が揃ったことで、ハナ争いが注目されていた。しかし、ピューロマジックが、元JRA騎手の安藤勝己氏が「反則級のロケットスタート」(公式Xより)と絶賛した好ダッシュでハナに立ったところで勝負ありか。2着ヨシノイースターも必死に食い下がったが、序盤のアドバンテージはあまりにも大きかった。

 その一方で、復活の兆しを示したのが3着のモズメイメイ(牝4歳、栗東・音無秀孝厩舎)ではないだろうか。

「周りが速くて……直線では手応えもなかったです」

 今年の北九州記念は3歳の一流スプリンターが集う葵S(G3)を勝ったピューロマジックが、勢いそのままに重賞連勝を決めたが、実は昨年の葵Sの勝ち馬がモズメイメイだった。

 武豊騎手がそれこそ“反則級のロケットスタート”を決めて、重賞2勝目を飾ったモズメイメイは意気揚々と北九州記念で古馬に挑戦状を叩きつけた。鞍上は松若風馬騎手に乗り替わったが、ファンはそんな新電撃女王候補を2番人気に支持している。

 しかし、結果はハナを切る自分の形の持ち込むことさえできずの10着大敗だった。

6戦連続二ケタ着順…あまりに長いトンネルに光明

 そこからモズメイメイの長いトンネルが始まった。秋のスプリンターズS(G1)で最下位に沈むと、陣営はダート、1400m、差す競馬など試行錯誤を重ねたものの6戦連続二ケタ着順。特に前走の高松宮記念(G1)ではスタート直後に他馬と接触してバランスを崩し、まったく良いところなく15着に敗れた。藤岡佑介騎手が「今日の一戦で気持ちが途切れなければいいですが……」と心配するほどの内容だった。

 悲惨を言わざるを得ない前走から約3か月。長いトンネルを抜けられないまま挑んだ今年の北九州記念で、昨年2番人気だったモズメイメイは16番人気まで評価を下げていた。

国分恭介騎手 撮影:Ruriko.I

 鞍上の国分恭介騎手が「スタートを上手に出せませんでした」と振り返った通り、スタート直後でハナ争いを断念したモズメイメイ。代わりに奪ったのが、開幕週で有利なインコースだった。中団の内々で脚を溜めたモズメイメイは、最後の直線でしっかりと伸びて3着を確保。長いトンネルの出口がようやく見えた一戦だった。

「前走の高松宮記念のレースぶりもあって少し心配していたのですが、しっかりと時間を取って立て直しを図ったことが復活の大きな要因の1つだと思います。

特に栗東の坂路で行った1週前追い切りでは、4ハロン49.5秒の一番時計。ラスト1ハロンは12.7秒と、さすがにバテ気味でしたが、これがいい刺激になったんだと思います。それだけしっかり追い込みながらも、馬体重はプラス12キロ。人気はなかったですが、侮れない一頭でした」(競馬記者)

「ペースが流れてインを攻めましたが、ゲートをうまく出せなかったことが悔やまれます」

 16番人気を3着に導き、三連単79万8750円の立役者になった国分恭騎手だったが、満足していないのは、それだけモズメイメイに手応えを感じていたからだろう。この激走がフロックでないことは、次のレースで証明してくれるはずだ。

GJ 編集部

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