武豊が「告白」キタサンブラックによる宝塚記念(G1)の歴史的大敗劇で「何」があったのか……騒動が去った今だからこそ語られた「真相」<1>
6月25日、春競馬の締めくくりとなった今年の宝塚記念(G1)では、競馬界のみならず日本中が衝撃に包まれた。昨年の年度代表馬であり、今年も大阪杯と天皇賞・春を連勝、史上初の春古馬三冠を懸け、単勝1.4倍に支持された大本命キタサンブラックがまさかの9着大敗したからだ。
2015年の日本ダービー以来、いかなるレースであろうと、常にその強さを見せつけ続けてきたキタサンブラック。だからこそ、”あの日”の最後の直線でまったく何もできず沈んでいく姿に、多くの競馬ファンが我が目を疑ったはずだろう。
あの時、現役最強馬に一体何がったのか。あれから約1カ月、キタサンブラックの主戦であり、最大の理解者である武豊騎手が『武豊TV!II』(フジテレビ)『武豊TV!II』(フジテレビ)など各メディアを通じ今年の宝塚記念を振り返っている。
『武豊TV!II』はその名の通り、騎手・武豊をフィーチャーした番組。その第2シリーズとなる。ナビゲーターをフジテレビの福原直英アナウンサーが務め、武豊騎手にレース映像を交えながら自らの騎乗について振り返ってもらうというもの。月1の不定期放送で、今回は宝塚記念を中心とした6月を回顧している。
宝塚記念当日のキタサンブラックの「状態」について
前日夜からの降雨により、稍重の状態で迎えた今年の宝塚記念。キタサンブラックは今年初戦の大阪杯を快勝し、前走の天皇賞・春ではディープインパクトが記録したレコードを0.9秒更新する歴史的圧勝。最大のライバルといわれていたサトノダイヤモンドに決定的な差を見せつけ、名実ともに現役最強馬の座に上り詰めていた。
3戦目となる宝塚記念では、そのサトノダイヤモンドの回避もあって一本被りの大本命となったキタサンブラック。だが、その一方で一部のメディアからは常識を超えた坂路3本追いや、大阪杯と天皇賞・春の激走からくる疲労を懸念する声もあった。また、調整を担当する清水久詞厩舎の辻田厩務員にも「自分からノッていくというか、内面からにじみ出てくるものがない」という懸念があったようだ。