神戸新聞杯(G2)武豊ダンビュライト「晩成」の血が目覚める!? 大逆転へ”覚醒”の自己ベスト連発は「本格化」の兆し
秋競馬の醍醐味は「春の実績馬」と「夏の上がり馬」との対決だが、当然ながら春のクラシックで善戦しながらも敗れた馬も、秋の巻き返しへ虎視眈々と爪を研いでいる。皐月賞(G1)3着、日本ダービー(G1)では6着と、春の2冠は世代の頂点にあと一歩足りなかったダンビュライト(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)もその一頭だ。
デビュー戦を快勝し、続くサウジアラビアロイヤルC(G3)でも2着。翌年クラシックの有力候補として、暮れの朝日杯フューチュリティS(G1)では2番人気に支持されたものの、13着に大敗した。
その後はきさらぎ賞(G3)で3着、弥生賞でも3着と善戦こそするが、じょじょに存在感が薄まっていったダンビュライト。武豊騎手に乗り替わって挑んだ皐月賞では、12番人気の低評価だった。
しかし、レースでは勝負どころで外目からしぶとく脚を伸ばすと、激戦に最後まで食い下がっての3着。三連単100万馬券の立役者となった。
だが、期待された日本ダービーでは、1枠1番の絶好枠を引きながらも6着。レース後、武豊騎手が「内にいて動けなかった」とコメントした通り、超が付くほどのスローペースの中、逆に動くに動けない内枠が仇となる不完全燃焼の敗戦だったようだ。
あれから約4カ月。ひと夏を越し、明らかに馬は変わってきたようだ。
13日に栗東の坂路で行われた1週前追い切りを見守った音無秀孝調教師は『netkeiba.com』の取材に「春に比べて、ぐんと馬が良くなった。これまでとは違うはず」と管理馬の進化を評価。
それもそのはずで、4ハロン50.4秒はこの日の1番時計。先週の追い切りでも2番時計となる50.7秒を叩き出し、自己ベストだった51.1秒を大きく更新。1週前追い切りでは、連続して自己ベストを更新したことになり、その充実ぶりには目を見張るものがある。