武豊ダンビュライトが「調整ミス」!? 神戸新聞杯(G2)で権利獲り狙うも「計画狂い」の”暴走”に調教師は文句たらたら……
「調子がいいのは間違いないんですが、良すぎるんですよね。今からここまで仕上げて『本番は大丈夫なの?』という不安は当然ありますし、何よりも神戸新聞杯が2400mで菊花賞に至っては3000mもあることが気掛かり……。
というのも、確かに坂路の動きは絶品なんですが、逆に良すぎて短距離馬の調教を見ているよう。正直言って、仮にこれが来週のスプリンターズS(G1)に出走する馬の調教内容なら重い印を付けたくなりますよ。それくらいの動きですが、走るのは1200mの倍で2400m。当然、折り合いへの不安は出てきますよね」(同)
確かに最終追い切りで、こんな一幕があった。見守っていた音無調教師が「序盤が少し速すぎたね。ラップが反対。52秒くらいにしようと思ったんだけどね……思惑が外れた」(スポーツ報知)と、時計が速すぎると不満を漏らしていたのだ。
それもそのはずで、自己ベスト&1番時計を叩き出した1週前追い切りでは武豊騎手が騎乗していたが、この日は騎乗せず。その裏には、レース直前で馬の気持ちをヒートアップさせ過ぎない音無調教師の思惑があったはず。そう考えると、最終追い切りの「狙い」は調子のさらなる向上ではなく、長距離戦を意識した折り合い重視の”ソフト仕上げ”だったはずだ。
しかし、音無調教師が4ハロンを52秒程度にまとめようと思っていた最終追い切りは、50.9秒とかなり速い時計を記録してしまった。ただ、そこで懸念が大きいのはスタッフうんぬんよりも、むしろ「馬」の方だ。
「52秒台に抑えるということは、折り合いを重視して、しまい重点の内容を描いていたはずです。そうなると最後の1ハロンは、12秒台前半は欲しいところ。しかし、結果的には12.8秒。それも12.5-12.7-12.8と完全に止まったわけではありませんが、しまい重点とは真逆の失速傾向にあります。音無先生の『ラップが逆』は、まさにこの辺でしょうね。調子がいいのは明らかですが、”暴走”は暴走。やはり折り合い面は心配ですよ」(同)
レースでカギを握りそうな武豊騎手でいえば、昨年のエアスピネルでは最終追い切りで13.4-12.9-12.3と、しっかり終い重点の加速ラップを記録。レースは後方から脚を使って5着に敗れたが、結果的に3着した本番への手応えを掴めた神戸新聞杯だった。
賞金面で問題のなかったエアスピネルとは立場が異なるが、「真逆」の時計を記録したダンビュライトでどうか。血統的には距離が伸びて魅力を感じる馬だけに、あとは折り合い面さえ克服できれば、面白い本番が待っているはずなのだが……。