なぜ凱旋門賞は荒れ続けるのか? 昨年「38万馬券」欧州と日本の”競馬の違い”が生む、大本命エネイブル以上に「警戒すべき」存在とは
日本時間10月1日にフランスのシャンティイ競馬場で開催される凱旋門賞(G1)の出走馬及び枠順(ゲート番)が29日、JRA(中央競馬会)の公式HPを通じて発表された。悲願の初制覇を目指す日本のサトノダイヤモンドは13番枠、サトノノブレスは5番枠に決定した。
レース開催当日に内柵を撤去することで内ラチ沿いに”グリーンベルト”が現れることで、インコースが有利な状況が築かれる凱旋門賞。史上初の海外馬券発売となった昨年は1番人気に支持された日本のマカヒキが、14番枠から終始外々回らされて終戦。
今年も日本の総大将サトノダイヤモンドが13番枠に入ったことで、早くも”諦めムード”が漂いつつある。
その一方で、今年の1番人気が予想される英国のエネイブルは2番枠という絶好のゲート番をゲット。すでに各国の大手ブックメーカーでは2倍前後の抜けたオッズが示されているが、日本の馬券発売でも人気集中となる可能性が高そうだ。
ここまで英オークスを5馬身差、愛オークスを5馬身半差、キングジョージ6世&QESでも古馬を相手に4馬身半差、前走のヨークシャーオークスでも5馬身差の圧勝と、向かうところ敵なしのエネイブル。今年は、この”天才少女”の勝ちっぷりに日本だけでなく、世界が注目する状況が築かれようとしている。
しかし、凱旋門賞は2009年のシーザスターズを最後に、1番人気が7連敗中であることを忘れてはならない。初の海外馬券発売となった昨年の凱旋門賞では、三連単38万馬券の大波乱に終わったことを覚えている人も多いだろう。
特に昨年の凱旋門賞は、例年のロンシャン競馬場ではなく、今年の舞台と同じシャンティイで開催されたのだから、予想する上での参考価値は非常に高い。何せ1920年から続く歴史の中で、シャンティイで開催されたのが昨年しかないのだから。
そして、昨年の凱旋門賞を見れば、日本のサトノダイヤモンドにとって「本当の敵」といえる存在が、英国が誇る天才少女エネイブルではないことが見えてくる。