武豊ダンビュライト「菊花賞出走」OK! 悲願のG1制覇へ、騎手の腕が問われる「淀の長丁場」で”ユタカマジック”に期待
しかし、幸いダンビュライトは24頭中16番目で出走権を確保。あと3頭で除外となるところだったが、なんとかクラシック完走を果たせそうだ。
「ダンビュライトの場合、本賞金が1050万円しかなかったので、1000万下を勝った馬よりも立場が厳しい状況で、神戸新聞杯が終わった直後は本格的に出走が危ぶまれていました。
ですが、そこからダービー2着にスワーヴリチャードが調整の遅れで11月のアルゼンチン共和国杯(G2)に回り、弥生賞馬のカデナも主戦の福永祐一騎手からの距離が長いという進言もあって回避が決定。神戸新聞杯後の1000万下でマイネルヴンシュとクリノヤマトノオーが勝ち上がりましたが、なんとか踏み留まることができたようです」(競馬記者)
ダンビュライトがこれだけの注目を浴びるのは、やはり主戦が競馬界のカリスマ・武豊騎手であるところが大きい。
史上最多の天皇賞・春(G1)8勝に加え、この菊花賞も4勝と騎手の腕が問われる長丁場で抜群の強さを誇ってきた名手がチャンスのある馬で菊花賞に参戦できることは、単純にレースの盛り上がりにも大きく繋がるといえるだろう。
音無秀孝調教師を始めとした陣営としても”第一関門”を抜け、まずはホッとしたところだろうが、当然ながら出るだけでは意味がないことも事実だ。
4着に敗れ、惜しくも優先出走権を逃した神戸新聞杯では、武豊騎手が「やりたいレースは出来ました。でも、上位馬相手には完敗でした」と完敗を認めたように、悲願のG1制覇へ課題は小さくない。
先週9日の京都大賞典(G2)を勝ち、京都競馬開幕に合わせるかのように調子を上げてきた武豊騎手。昨年は距離が不安視され、この春はマイル路線を歩んでいるエアスピネルで3着するなど、改めて長丁場での手腕を見せつけた天才が、この「一枚足りない馬」をどう導くのか――。
淀のターフに昨年を超える”ユタカマジック”が炸裂することを期待したい。